内容説明
車窓を流れる汽車の黒煙。基地に佇む機関車の勇壮な姿。幼少期の朧な記憶。大学生のときに出合った一冊の本が、有栖川青年に眠っていた「テツごころ」を覚醒する。学生時代、友人との貧乏旅行、車窓にかぶりつく道楽亭主の隣で熟睡する妻とのふたり旅……。著者が、乗りテツ遍歴を明かし、ミステリーと鉄道の親和性を説く。「この鉄ミスがすごい! ベスト60」収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
114
一言申すと、この題名は正しくない。鉄道ミステリーに関して云えば、第2章の40ページ弱の部分にしか言及されておらず、それ以外は筆者の鉄道紀行エッセイだ。従ってミステリ部分を期待すると肩透かしを食らうことになるから要注意。鉄道紀行はマニアックにならず、一人の旅好きが綴ったかのような内容になってて良い。地方の歴史や鉄道の成り立ちなども旅先でちょっと興味を持てば得られる類いのレベルでちょうどいい読み心地だった。まずは最寄りの駅に降りて隠れた名物を食べてみようか。そんな身近な旅に出かけたくなるエッセイだった。2018/03/08
マーム
70
『有栖川有栖の鉄道ミステリ・ライブラリー』というアンソロジーを編んだこともあるのでかなりの鉄道マニアとは思いましたが、相当な乗りテツでした。でも、大学4年の時、宮脇俊三氏の『時刻表2万キロ』を読んで以来の乗りテツというのはちょっと遅咲き?タイトルにミステリーと冠しながらもほぼ鉄道エッセイに終始しますが、「この鉄ミスがすごい!ベスト60」は面目躍如といったところでしょう。鉄道の旅に同行される夫人が「陽だまりの猫」みたいに電車で寝るのが好きというエピソードは微笑ましく、有栖川氏は良い伴侶を得たなと思いました。2012/02/26
ソラ
47
有栖川有栖の乗り鉄趣味前回のエッセイ。自分も乗るのが好きなので通じる部分も多数。こんな鉄道趣味全開の旦那の旅に文句も言わず「ええよ」のひとことで付いてきてくれる奥様のなんと度量の大きなことよ2015/02/07
gonta19
41
2011/10/13 Amazonより届く。 2013/11/11〜11/15 乗り鉄である有栖川さんのローカル線を中心とした紀行文。私は特に鉄ちゃんではないが、有栖川氏の文章が上手いので、乗ってみたくなる。でも、多くの路線は既に廃線になってしまってるんだよなあ。その原因?ともいえる東京一極集中についてのあとがきも素晴らしい。2013/11/15
へくとぱすかる
27
本格ミステリ作家の自伝的乗り鉄エッセイ。自身の成長とともに、いつも鉄道が近くにあった、というのが鉄道への関心の始まりというのは、とても納得しやすい。「鉄ミス」が大好きなので、紹介された作品で読んでみたい本も。最後に東京一極集中と過疎化への苦言がある。どうか日本がこのまま下り勾配を突っ走りませんように。鉄道とおなじように、ブレーキが必要ですね。2014/01/05
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