内容説明
生老病死まで書かれた深淵な本でありながら、
男の生態がここまでわかる本は、今までなかったです。
衝撃を受けました。
──辛酸なめ子
仏文学者・平野威馬雄を祖父に、料理愛好家・平野レミを伯母に持つ著者の
波瀾万丈な日常を綴った赤裸々エッセイ。
ひと組の布団で腕枕をして眠る元舅・姑、こじらせ女子だった友人が成し遂げた“やっちゃった婚”、連れ合いをなくし短歌を詠みまくる祖母、夫婦ゲンカの果て過呼吸を起こす母、イボ痔の写真を撮ってと懇願する夫……。「ウンコをする男の人とは絶対に結婚できない」と悩み、「真っ白でバラの香りがする人とならできるかも」と真剣に考えていた思春期から20年余り、夫のお尻に素手で坐薬を入れられるまでに成長した“元・お嬢さん”の、結婚生活悲喜こもごも。
●もくじ
離婚原因の小さな一つ
舅の宣戦布告
離婚届
I澤さんのやっちゃった婚
私とY子の自由と孤独
お願い、シスター
こじらせ女の結婚
不妊女性につらい街・自由が丘
Tさんのおば様、人生大どんでん返し
祖母の「思ひ出日記」
父のお酌
好きで好きでたまらない気持ち
祖母は元深川の不良
お化けとUFOと女の勘
嫁はなんでも知っている
お姫様生まれる
夫、墓穴を掘る
位牌の立ち位置
嫁の正月は異文化交流
イボ痔写真を撮る
老後の下の世話は任せておけ
夫の精子、日の目を見る
心療内科の待合室
生ゴミになった私
最愛の伯父・ちんちん
夫の浮気
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
23
上品でまっとうなのに、なぜかなにかがずれてるんですね。そこが、愛おしくて、おかしくて、少し悲しい。誠実に物事に向き合おうとするあまりに、その位置がずれてくる人間の不思議を感じます。全部受け止めてくれる方に、または、全部ぶつけられる対象に出会えればよいのにね。ただ、読み物としてはおもしろく、久々の一気読み~。(笑)2016/03/27
tom
13
身近の人たちのゴシップ話をタラタラと書き続けた本。人それぞれ、家族それぞれ。でも、距離感が近すぎる人たちの話を書く著者という人は、いったいどういう人なのかと思った次第。こういう著者とお友達になってしまうと、何を書かれてしまうのか恐ろしい。ただし、北陸の葬式場面(土葬をしている)は、なかなか興味津々。何年昔の話なんだろう。2016/05/02
ozoz
12
結婚することにより家族が増え、関わる人間も増え、面倒かつ理解しがたい生態をつづるエッセイ。旦那さんの「大」の方のおもらし事件は、イラストが相乗効果を発揮して、質感や臭いも伝わる詳細ぶり。笑えつつも、勇気ある処理対応には感服。ドラマよりも現実生活がドラマな人々が三菜さんの周りを固めているとお見受けします。2016/02/23
hiromura
11
著者初読み。そこまで暴露していいの?他人の浮気や、夫のおもらし(大)浮気など、イニシャルトークでも身近な人が読んだらわかるだろうに。不妊治療のことなど共感できる箇所もあったし、ご本人はとても心の優しい方なのだろうなとは思うけれど、我慢しすぎて爆発するのはいけない気がしました。2016/04/19
きさらぎ
11
めっちゃパワフルな人だから物語の中にドップリ入りすぎて過呼収になったりするんだろうな。「夫のパンツとズボンと+a」を素手で洗ったあたりで、夫婦の愛とかのレベルじゃなく家族愛なんだなと思ってたのに残念です。ひとごとだけどすごく残念。でもここで元の生活に戻ったらきっとまた同じことをくり返すから、新しい火種を見つけてほしい。友人の、秘密の扉を開けると次の扉がありまた開けて全部開けても最後には絶望と不幸と受け止めきれない苦悩が待っているだけ、という言葉は重い。世の中には知らない方が幸せなこともたくさんある。2016/02/23