内容説明
とかく、隣国づきあいは難しいものである。だが、日本と韓国・北朝鮮の間柄は、人種や宗教など、いさかいの根源にあるものがはっきりせず、非常にモヤモヤした関係を続けてきている。近年は、「歴史問題」と「拉致問題」を主軸に、論争を続けているが、著者に言わせれば、それは「仲の悪さ」の一断面であり、根本のところは、遠いいにしえの世界にある。たとえば、それは、人類の創世記に遡る。アフリカで誕生した人類が、世界に拡散していく過程で、様々な人種が形成されたが、その見地からある細胞の分析を行なうと、日本人と朝鮮半島人の間には明確な違いがあることがわかっている。これが、肌合いの悪さにつながっていないか? また、著者専門の古代史の見地からも、古代朝鮮半島の抗争史の中で、日本がどのように振る舞ったかが、今の感情論を招いていないか? など、著者ならではのユニークな視点が、新たな考えるヒントを提供する、貴重な歴史読み物。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅咲文庫
4
タイトルはずいぶん嫌な感じだけど、中身は日本と隣国の人の流れや行き来を長いスパンで考えたもの。島国日本はいろいろな民族が来、戦うだけではなく技術を伝え合いながら複雑に層を重ねてきたのだろうと。これだけ地理的に近い場所ならそう考えるほうが自然に思う。2019/11/27
Gabachom
2
刺激的なタイトルですが、中味は学術的です。出版社が売らんがためにつけたのでしょう。 DNA の解説は、分かりやすいです。他の日本人のルーツの本より、深堀されています。 大和朝廷と朝鮮半島の関係は、著者の他の本の方が詳しいので、冗長です。最初の章と最後の章だけで、この本での特徴的な論旨は分かります。 日本列島の地理的な特徴が、人類移動の最後の(?)吹き溜まりになり、多様な文化を生む環境となっているんですね。2016/05/08
96sann
2
古代史から日本と朝鮮半島の関係を読み解く。今の状態に至る経緯を知ることは肝要かと。ただし結構複雑。。。2016/03/09
宇和島太郎
0
半島に関わっては碌なことにらならないは古代からの繰り返し2023/01/22