内容説明
ある昼下がり、アリスが土手で遊んでいると、チョッキを着た兎が時計を取り出しながら、生け垣の下の穴にぴょんと飛び込んで……個性豊かな登場人物たちとユーモア溢れる会話で展開される、児童文学の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
286
『アリス・オンパレード』第6弾。角川文庫の新訳。訳は河合祥一郎。彼は「サントリー学芸賞」を受賞するなどシェイクスピアの研究者として著名。現在刊行中の角川文庫の新訳シェイクスピア全集の翻訳もこの人。さて、『アリス』だが、河合は「訳者あとがき」で、「英語の響きのおもしろさをできるかぎり日本語で表現するよう努め」たと述べているが、まさにそれは他の訳に比して、もっとも成功している点だ。とりわけ、篇中に含まれるいくつかの詩において顕著だ。絵はテニエルだし、訳文、解説ともに優れ、しいて1冊というなら本書がお薦めだ。2013/08/22
kaizen@名古屋de朝活読書会
165
第一章では 姉さんのそばにすわっていたアリス。 白ウサギがたいへんだたいへんだ遅刻しそうだ。穴の中に落ちていく。 不思議の世界に入っていく。何を象徴しているのかまでは理解していない。不思議なことは楽しい。2013/05/06
ムッネニーク
155
84冊目『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル 著、河合祥一郎 訳、2010年2月、角川書店) 超有名な文学作品ながら、今回が初読。言葉遊びを見事に翻訳している河合祥一郎先生の手腕に感服。不条理ながら、可愛らしい物語。しかし、どこか現実社会への皮肉や嘲りのような毒気を感じさせる。時代を貫く普遍性があり、とても150年以上前の作品とは思えない。 あと100年は余裕で生き残る作品だろう。 「ここじゃあ、みんな気がくるってるんだ。」2021/10/10
けいご
117
何も知らない幼い頃は、お祭りのりんご飴やキャンプファイヤーの怪しい炎や少年自然の家の不気味な蛍光灯に群がるゲジゲジなど初めて目にした世界の全てが不思議で奇妙で怖くて面白いものとして目に写っていて、ひょんな拍子に「人ではない何かが見えてしまうのではないか?」なんて思っていたな〜っと大人になると思い出せなくなる記憶を呼び覚ましてくれたそんな1冊でした★永遠の輝きの様な夏休みを持っていたあの頃は僕は不思議の国のアリスだったんだな〜なんて懐かしい気持ちになりました★2021/09/23
かみぶくろ
98
ハンプティダンプティが出てこない!っていう令和最大の衝撃。2019/06/22