岩波新書<br> プラトンとの哲学対話篇をよむ

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岩波新書
プラトンとの哲学対話篇をよむ

  • 著者名:納富信留
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 岩波書店(2015/12発売)
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  • ISBN:9784004315568

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内容説明

ソクラテスを中心に,数々の登場人物がことばを交わし,思索を深めていくプラトンの対話篇.「君はこの問いにどう答えるか?」作品の背後から,プラトンがそう語りかけてくる.『ソクラテスの弁明』『ポリテイア』『饗宴』などの代表作品を読み考えながら,プラトンの問いと対峙する.二千年の時を超え,今も息づく哲学の世界へ.

目次

目  次

 序 章 プラトンとの対話
   アカデメイアの森蔭で/学園アカデメイアのプラトン/プラトンが遺したもの/不在の著者との対話/対話の現場/プラトンへの呼びかけ
 第1章 生の逆転──『ゴルギアス』──
    『ゴルギアス』あらすじ/カリクレスの怒り/弁論術の虜/欲望のままに生きる/強者の正義/生の逆説/哲学の創出
 第2章 魂の配慮──『ソクラテスの弁明』──
    『ソクラテスの弁明』あらすじ/裁判での語りかけ/陳腐な道徳/挑発の言葉/魂への集中/配慮の勧告/魂の覚醒/神の使命
 第3章 言葉の中での探求──『パイドン』──
    『パイドン』あらすじ/最期の対話/現実の綻び/言論嫌い/言葉での出会い/イデアの経験/魂の離在/イデアは必要か?
 間 奏 曲 行動する哲学者──『第七書簡』──
   蝉に見守られて/ 『第七書簡』について/シラクサへ/アカデメイアと政治/善き社会の理想/現実の壁/哲学の実践
 第4章 愛の力──『饗宴』──
    『饗宴』あらすじ/エロース讃美/愛と美の真実へ/魂の出産/愛の奥義/美そのもの/本物の愛
 第5章 理想への変容──『ポリテイア』──
    『ポリテイア』あらすじ/ギュゲスの指輪/想像力による浄化/正義としての自己/ユートピアの原点/理想をめぐって/魂、国家、宇宙
 第6章 宇宙の想像力──『ティマイオス』──
    『ティマイオス』あらすじ/宇宙への問い/宇宙の始まり/時と永遠/基底へ、天空へ/永遠の相の下で
 第7章 哲学者とその影──『ソフィスト』──
    『ソフィスト』あらすじ/困惑と覚醒/ソフィストという問題/言葉の可能性/影と像/現れをめぐって/無への挑戦/ソフィストとの対決
 終 章 プラトンは何を語りかけるか
   語るべきこと、語れること/対話の可能性/プラトンの応答

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

129
"プラトンさん"に呼びかけ、読者も誘い込むというフォーマットまで準じた著者の内なる対話。時に現実的視点から反駁を試み、時に見慣れた言葉に解釈を加えて哲学の厳しさを突きつけたりと対話は縦横無尽に往還する。『ポリテイア』『ティマイオス』というハイスケールな論点になると心酔も顕現する。プラトンにとってのソクラテスのように、著者にとってのプラトンは自身を映し出す鏡なのだ。哲学そのものが現れる生成のダイナミズムこそが時代を跨ぐプラトンの意義という見解を身を持って実践した一冊。挑戦、対立、論争なくして哲学はできない。2022/12/03

壱萬弐仟縁

46
吟味のない生は、人間にとって生きるに値しないと敢然と言い放つソクラテス(48頁)。魂に向かう生き方は、できるだけ善くなるようにという、価値への関わり。善い、正しい、美しいといった大切なことがらが、魂において問題となります(61頁)。哲学者、知を愛し求める者は、つねに死を求めてきた。死とは、魂が肉体から切り離されて、それ自身で ある(傍点)ことであり、そこでは叡智において絶対的なものと関わる可能性がある(74頁)。2016/01/18

かふ

24
ムズい。入門編じゃないよ。ソクラテスじゃなくてプラトンを問題にしているので難しくなるのかな。ソクラテスをプラトンが描いた架空(想像上)の対話だとして、例えば小説の登場人物よりも作者の意図について考えろみたいな。外側にいる絶対神みたいな。「イデア」という絶対的な観念は超越的な神に類するような、だからその観念と対話しようとする頭の痛さ。抽象的な論理なのは、カントに受け継がれている。逆説的なちゃぶ台返しが物事を混乱させる。2020/07/06

masawo

15
哲学者の思想解説だけではなく、今まさに「プラトンと」対話することで哲学に対しての理解を深めていく。取り上げている対話篇の掘り下げ具合がハンパないので自分の読み方の浅さに気づかせてくれる。物腰は柔らかいが芯の通った語り口で読者を導いてくれる良書。2020/10/31

Gokkey

11
国際プラトン学会の会長の著者がプラトンに話しかけるという体で、主要著作の解説を進めながらプラトン思想の道案内してくれる。言葉に対する徹底的な信頼がイデアの根底にあり、問答法を産み出すきっかけなのだ。まだまだ自分の読み方は浅いのだという事を痛感させられた一冊。2022/10/07

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