内容説明
関東大震災後の横浜に生まれた異母姉妹の慧子と蒼。ミッションスクール、ジャズ、ダンスなどのヨコハマ文化を楽しみ、恋を知る二人。しかし戦争の暗雲が港町を覆い尽くす。3・11以降の日本で書かずにいられなかった、戦争と平和、生きることの歓びと哀しみ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
86
横浜を舞台に昭和を生きた異母姉妹の物語。お互いの存在が合わせ鏡のように掴んでは離さない。置かれた環境も時代も、そこで生きる者は受け入れざるを得なくて、逞しく生きるしか無いのだ。少し長いかとは思ったが、横浜が舞台と云うのが良いな。雰囲気が伝わるようだった。慧子・・嫌いじゃないなぁ私。2015/09/24
モルク
77
港町横浜を舞台にした昭和初期から綴る異母姉妹のお話。山手に住むお嬢様の慧子と本牧で暮らす妾の子蒼。3ヶ月違いの二人は慧子の母の後押しで出会う。出会ったときからの大喧嘩を経て姉妹というよりかけがえのない親友となった二人だが。戦争が暗い影を落とす中、慧子の恋のはずが…とんでもない展開を見せる。戦後には店を立ち上げ力強く生きる二人。全てが好みの作品だった。脇を固める家政婦タツ、蒼の母鞠、ちょっとヒールな継母多恵と女性陣が魅力的。個人的には慧子に感情移入してしまった。港町横浜の時代ごとの風景が目に浮かぶ素敵な作品
taiko
65
港町横浜を舞台に、戦前戦後を逞しく生きた異母姉妹の話。… お嬢様育ちの慧子と妾の子蒼はまるで違うタイプですが、2人の持つ芯の強さは、やはり姉妹だからなのか、その時代の女性だからなのか、感じ入るものがありました。 蒼の母鞠、慧子の家の家政婦タツと、魅力的な女性がたくさん出てくる話。 戦時下の状況も、悲惨な様子は描かれてはいるものの、どこか夢のような異世界の様子が感じられるのは、作者の筆力のせいでしょうか。 晩年の慧子の章から、2人がその後も逞しく輝いて生きたということ、→続く2017/10/05
ゆみねこ
65
横浜に生まれた異母姉妹、慧子と蒼。戦争に翻弄された人々の暮らしと、逞しく生き抜いた女性の強さ。とても深く印象に残りました。慧子の人生を思うと泣けてしまいました。2015/11/26
ぶんこ
59
慧子さんが、昔を回想する形で綴られた物語。大正14年に3ヶ月違いで産まれた異母姉妹の慧子さんと蒼さん。明るく大らかな母に育てられた蒼さんは、細かな事にとらわれない性格。10歳で母を亡くした、優しくて真面目な慧子さん。第二次世界大戦や朝鮮戦争で、父や愛する人を亡くしながらも、 世間の目を気にせずに自由に欲する物を求める姿が実に格好良い。 素敵な洋服を創って販売し、高くて買えないからと見にくるだけの若い子への、温かい目線の蒼さん。産まれる前からの婆やタツさんへの気遣いをする慧子さん。素晴らしい。2015/08/23




