内容説明
面白くて、恐ろしい本の数々――。足かけ4年にわたり『読売新聞』読書面に連載された書評コラム「井上ひさしの読書眼鏡」34編。そして、藤沢周平、米原万里の本を論じる。著者の遺稿となった書評集。〈解説〉松山 巖
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
116
井上さん最後の書評集です。読売新聞に書かれていたものを集めたようです。この書評で私は朝倉書店の日本史事典を購入したことを思い出しました。ふつうあまり一般の評判にはのぼらない本を結構紹介してくれています。中小企業白書なども紹介しています。また米原万里の全著作というコーナーも書かれています。読みたくなります。2015/11/05
マエダ
44
”過去を極めて未来が見える”を読んで半藤一利さんの本が読みたくなった。この手の本を読むと繋がりができるのが良い。2022/01/11
ヨーイチ
30
近くというか唯一の三省堂書店で中公文庫復刻版フェアをやっていた。勢いで三冊購入した中の一冊。他の奴は小生の読んでる本の最新を見なさい。我ながらいい出会いをしたと思う。今更井上ひさしって気もするが、書評集って読んだ事が無かった。辞書、辞典類から始まる書評集ってのも酷いと思うけど、ユニークではある。晩年、大家となって読む本がなくなったのかなぁ。でもコレが読書の極北かも知れない。儲け物は義理の姉・米原万里全書評と題して短いながらも全作品を紹介している。素晴らしい書き手の早すぎる死の哀しみが滲み出てくるようだ。2023/04/28
しげ
27
没後12年にして初めて、井上ひさしさんのエッセイ集を拝読しました。「ひょっこりひょうたん島」は幼い頃、「吉里吉里人」は震災時、現地で初めて舞台の地を知りました。本編は2000年頃に執筆されたモノで「同時多発テロ」に対する記述もありました。本の紹介が本旨となっていますので時間経過で古い本も有りますが興味をそそられる本が多数、特に芸能(舞台、脚本)や歴史(歴史感)に関するモノが多い印象、古本屋巡りをしたくなりました。2022/11/03
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
25
約20年前に新聞で連載された書評集。▼読書に関するエッセイはこの本以前に何冊か出ているが、これは殆どが「書評」に限られた内容であった。▼読みやすい内容であったが、当然のことながら、紹介されている本が既に鮮度が落ちたものが含まれているのは残念な点である。▼しかし、本に対する着目点や、内容の本質を見抜く鋭い洞察力は流石。「本の読み方」について学ぶことが多い。▼この本でもやはり「辞書」の話題が出てきた。不眠症克服のためには、睡眠前に辞書を読むのが良いという話だ。試してみると本当によく眠れた。2021/08/29