ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 皮膚の下の頭蓋骨

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ハヤカワ・ミステリ文庫
皮膚の下の頭蓋骨

  • ISBN:9784150766023

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内容説明

二百年前の不気味な伝説が残る孤島コーシイ島。そこの贅を凝らした壮麗な舞台で演じられる古典劇に招かれ、いま、数人の客が島を訪れていた。主演女優クラリッサの義理の息子、従姉妹、元愛人……女探偵コーデリア・グレイもそのひとりだった。頻々ととどく死を暗示する脅迫状におびえるクラリッサの身辺警護のためである。狷介な女優とそれぞれ思惑を胸に秘めた七人の男女――不吉な雰囲気の漂うなか、開演を目前に、自室で顔を叩き潰されたクラリッサの惨殺体が発見された! ミステリの新女王が現代本格ミステリに新たな地平を拓いた大作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

291
★★★☆☆ 『女には向かない職業』の続編。 主役のコーデリア・グレイは、相変わらず熱い女で応援したくなるんだけど、本作ではややお節介が過ぎるところはある。 そこも含めて、謎解きのカタルシスより、圧倒的な悪に対して正面から対峙しようと頑張るコーデリアの姿を楽しむ作品だと思った。 本格好きの自分からすると結末は少し物足りないが、探偵としての詰めの甘さも含めて愛おしい。 あと、名も明かされぬ若い船乗りが良い味出しすぎ(笑)2022/05/19

absinthe

177
前作同様、書き方が緻密過ぎてリラックスできない作品だ。 コーデリア・グレイ第二弾。なかなか強烈な悪に立ち向かい、諦めないグレイに拍手。この終わり方はabsintheは気に入っているが、嫌う人もいるだろう。家出の猫探しを主に引き受けているのっけから引き込まれる。怪しげな本格推理おあつらえ向きの孤島と古城。600Pの大作で最初の殺人は300Pあたりという長さ。脱落必至の条件だが人物が好きになれれば飽きないだろう。この描写の緻密さは息が詰まる…同じ作家をこれ以上読めるかどうか…2022/06/10

k5

76
けっこう読みにくかったんですが、最後の山口雅也さんの解説で腹落ち。これはコーデリアの純粋さを読む作品ですよね。それでも『女には向かない職業』の方が好きですが、もう一度落ち着いて読み返してみたいとは思います。2021/05/26

遥かなる想い

67
P・D・ジェイムスは、『女には向かない職業』に続いて2冊目だったが、はっきり言って長くて全く面白くなかった・・というのが 素直な 感想。 ある島に人が集まり、殺人事件が発生する、そして ・・という古典的なプロットからあまりストーリーが ふくらまず、ただ ただ長い、そして登場人物にも、あまり魅力的な人物がいない。そして疲れていたというのが 原因だと思う。 2010/05/12

nemuro

62
2023年、一冊目の読了本。2018年3月、前作の『女には向かない職業』を40数年ぶりで再読し「こうなると次作も再読しなくてはなるまい」と決意しつつも、あっさり失念。ようやく着手したのが昨年10月あたり。まあ、週刊誌の連載小説を毎週少しずつ読むような気持ちに切り替えながらの約3カ月。前作では「中盤くらいまでかなり苦戦もあった」と述べていて、解説・瀬戸川猛資氏の「非常に手がこんでいて満喫できる。但し描写の執拗さに怯まず、一気に読み通すこと」の助言に甚く同感した記憶が蘇えった。諦めずに読み切った感も否めない。2023/01/03

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