内容説明
人と違うのは「動かない」ということだけ
「植物に知性はあるのか?」この問いをめぐって、はるか昔から論争がくり広げられてきた。トマトは虫に襲われると、化学物質を放出して周囲の仲間に危険を知らせる。マメ科の植物は細菌と共生し、それぞれにとって必要な栄養分を交換しあう。動けないからこそ、植物は植物独自の“社会”を築き、ここまで地球上に繁栄してきた。その知略に富んだ生き方を、植物学の世界的第一人者が長年にわたり科学的に分析し、はじめて明らかにした刺激的な一冊。本書を一読すれば、畑の野菜も観葉植物も、もう今までと同じ目では見られなくなるだろう。 『雑食動物のジレンマ』の著者マイケル・ポーランの序文付き。
[いとうせいこう氏推薦!!]
自分の好きなものにしか蔓を巻かない蔓性植物はもはや動物である、とベランダ園芸家たる私はかねてから主張してきた。だが、それどころではないと本書は明かす。ハエトリグサがトマトがマメがマツが、人間とは別種の知性で生きているのだ。彼らに私はユーモアさえ感じる。すなわち尊厳を。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
204
植物は知性を持ち動いていることを、手元で育てたり季節を追いかけると感じる。動物ほどの激しさを求めれば光合成の熱量では釣り合わないのだろうが、私たちの時間軸では感じられないほどゆっくり生きている。動物はいつまで存在していられるか分からないが、この星がある限り植物は広がり続けるだろう。人間の五感とは異なる植物の感覚を探る本書。これは空想のようであり事実なのかもしれないが、そもそも人間の感覚では理解できないのである。想像できる以上の高貴な存在であることに変わりはない。穏やかなようで厳しさを感じているのだろうか。2018/12/31
mae.dat
159
多くの研究者さんは、自身の研究対象が過小評価されていると嘆く事も屡々ですが、この著者も同じかな? しかし前2章も使って綿々と書くのは行き過ぎかなー。と思ったり。実の所、それは最終章まで続く。 著者の言う知性は、我々の言う所の反射の事なんじゃないの? と思いながら読み進めていました。 そして読み終わった今、植物は知性を持っているなー。と。( ¨̮ )。 植物と動物の生存競争の戦略の違いから、身体(細胞)の作りの違い。そして知的行動の方法の違いへと。 これ、面白いわ〜( ¨̮ )。
Tαkαo Sαito
72
とても面白く植物のことが学べました。植物のことを普段全く考えていなかったけど人間よりも賢く、人間の傲慢な考えは良くないと感じました。遠い未来、植物も人間とコミュニケーションを取る時代が来そうな、、。映画ハプニングを思い出した1冊でもありました。2016/03/06
クリママ
59
このところ植物に関する本を数冊読んできたが、まさに集大成ともいうべき本。数億年間、地球の環境に順応し、生きてきた植物。捕食されることを前提に、動物のように、中心的部分に機能を集中させていない。心臓がなくても体液が循環し、肺がなくても呼吸し、胃がなくても消化する。では、脳がないから知性がないのか。地球上の99.7%以上を占め、動物は太陽光をエネルギーに変換する植物がなければ生きていけない。人間が植物を理解せず、下に見るのは、大きく依存(食べ物、空気、エネルギー、医薬品)していながらそれを忘れようとする⇒2022/07/14
やいっち
50
人間を含む動物は、植物なしで生きられない。動物の回りには植物がおり、そのベースにはバクテリアがいる。そのまたベースには、ウイルスという半生命体が。宇宙観も生命観も、今、大変貌を遂げつつある。 不思議だけど、哲学が変貌する現代でもある。 世界の政治地図も根底から揺らぎつつある。アメリカと中国の覇権争いと、喧伝されているけど、AIの爆発力は想像を超えるものがありそう。既に導火線に火が。世界の構図が一変しそう。2019/01/25
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