内容説明
医師たちの知られざる試行錯誤の歴史
すぐに診断や治療ができる高度な医療は今や当然のものと思われているが、その背景には、ルネッサンス以降の医師たちの厖大な試行錯誤が積み重ねられていた。ヒルに血を吸わせる療法、麻酔発明者たちの自死や狂死、精神に異常をきたして犠牲者を出し続けた外科医など、エピソード満載の新鮮な医学史。
目次
序 章 近代医学の基礎の確立
第一章 臨床医学の発展―一八世紀から一九世紀
第二章 基礎医学の興隆―一九世紀後半
第三章 外科の大発展―一九世紀から二〇世紀
第四章 移植される臓器とつくられる臓器
第五章 二大死因克服への挑戦
第六章 生体を調節する仕組みの解明―二〇世紀の医学の発展
第七章 感染症との闘いと免疫学の進歩
第八章 神経疾患と精神疾患
第九章 日本の医学の発展
終 章 医学・医療の進歩と現代の課題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
このこねこ@年間500冊の乱読家
3
⭐⭐ ほむん、難書。 医学がどのように発展してきたか、外科や内科、遺伝、など様々なジャンルを遡って解説する一冊ですが…… 手広くやりすぎて1個1個が浅くなり、専門用語の説明も少なくて辛かったです。 医学ちゃんとやっている方にはちょうど良いのかも。2020/06/25
take99051
3
医学の歴史を外科医が記した書物。ある意味野蛮な治療、処置が普通だった医療というものが、現代科学によって醸成されていった経緯がよく理会できました。翻って見れば、200年も経てば医学に対してまた違った見解もあるのかも、と思わされた一冊です。秀逸。2016/02/19
いのうえ
2
現代に生まれて良かったと思える一冊。 紀元前5世紀に活躍したヒポクラテスが医学の起源と言われているが、16世紀にベサリウスが人体解剖するまでほぼ進歩なし。床屋外科医だったパレがルネサンス期に活躍した外科医として知られているが、麻酔や消毒は19世紀になって登場する…ということはとんでもない痛みに耐えて、感染症を乗り越えないと生き残れないということ。パレの有名な言葉「私が処置し、神が癒し給うた」は本当だ… 他にジェンナー、ゼンメルワイス、コッホと弟子たち、野口英世などのエピソードが面白かった。2017/10/15
はるくる
1
勧められて読んだ本ですが本というより辞典?資料集?という感じ。各々のエピソードはおもしろいし、こんな全世界の人々が長い歴史をかけて結集した知識の上に今の医学があると思うと感慨深い。でも僭越ながらわたしがこの本書くとしたらこの順番・構成にするかなあと少し疑問。まあ著者も必ずしも年代別にしましたとは言ってないけど2020/03/13
ゴジラ 芹沢
1
現代医学の基礎を成した偉人たちの近代史2019/11/06