内容説明
あなたは歩く。何もない暗闇のなかを、独りぼっちで――伝説のフリーゲーム『ゆめにっき』ノベライズが待望の文庫化! 執筆・日日日(『ささみさん@がんばらない』)、挿絵・有坂あこ(コミック『マグダラに眠れ』)、気鋭の制作陣が『ゆめにっき』の世界観を紡ぎだす。俊英たちが描きだした夢の世界の答えとは……!? 【あらすじ】あなたは、ちいさな部屋に立っている。ほんのわずかな物音もしない、薄暗くて寂しい小部屋……。そのうち、己が立っている部屋を恐る恐る調べ始める。自分の行動に、何らかのリアクションがあるべきだと思い込んでいるみたいに。だって、歩き回って動き回ってそれでも周囲に影響を与えられないんじゃあ――何ひとつ変わらないんじゃあ、まるで生きてないみたいじゃないか。夢を見てるのと、同じじゃないか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
神城冥†
31
ゲームの内容とか世界観はゲームの実況動画で見て知っていて、ゲーム自体も意味はわかんなかったが、少しは謎が解けるかな?って思って買って読んだけど結局は何もわかんないままだった。あやふやなままで終わらせるのが一番いい形なのかね……。ぶっちゃけ私には不向き。2023/05/07
サーフ
15
「ゆめにっき」自体は未プレイだけど実況動画は見たことがあるのである程度の世界観や物語の流れは把握できた。未プレイの人でも小説は楽しむことができると思う。ゲームが持つ独特の世界観は小説でも再現されているし、夢におけるエフェクトの存在意味について考察も面白い。ただユヤングやフロイトを引き合いに展開される文章は物語の流れと乖離している感は否めない。「ゆめにっき」は様々な解釈ができるゲームなのでここで書かれている内容が正式見解とは言えないが「なるほど」と思えるような考察。2018/06/30
Yobata
15
単行本既読,文庫化再読。フリーゲーム「ゆめにっき」のノベライズ。ゲーム未プレイのままはままだけど、充分ノベライズだけでも楽しめる。第一部の「あなた」から始まり、第二部の「わたし」で独特の世界観と不思議な人称描写,数多くの難解な比喩表現が続く中で、第三部の「夢日記」で全てが明かされ、最後の数頁で全体が一気に通る作りはやはりさすが日日日さん。SFの世界の中でも心理描写などのリアルな現実感を内包した悲しくもあり優しくもある話になっていた。2015/11/15