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内容説明
人間は残酷なサルか、それとも協力するサルか――。「なぜ攻撃的なのに、人類は滅ばなかったのか?」、「なぜヒトの選択は合理的ではないのか?」、「なぜよい行動に褒美を与えると逆効果なのか?」、「なぜ赤ちゃんは「正義の味方」を好むのか?」、「なぜあくびは友人や親族ほど伝染するのか?」、「なぜ過密状態だと、周りに気を使うのか?」……。最新知見が明かす驚きの真実!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
133
人は人を怖がる。ヒトの本性を知ってしまう恐怖。ヒトはなぜ殺し、助け合うのか。…第五章。身内とよそ者。性別や人種、外見や性格で、差別や偏見の根源となる区別をしている。出身や職業、年齢や家庭環境。内集団と外集団の区別は、仲間外れやいじめを生む。ネット炎上は多数派から少数派への必要以上の攻撃であり、卑怯にも顔も名前も明かさない。…ヒトは攻撃性の高い存在を排除する。それが正しい方向に進めば世界は少しずつ平和になる。教育によって高い理性をつける必要がある。…認知科学、犯罪学、心理学等の知見から多角的に分析している。2020/01/18
青蓮
94
読友さんの感想より。ヒトの本質は性善説か性悪説か?をテーマに書かれた本。とても興味深く読みました。特に驚いたのは「赤ちゃんでも人を援助するのが好きである」という点。だから赤ちゃんや幼児は「正義の味方」を好むらしいのです。「心に痛みを感じる」というのも、単なる文学的な表現でなく、脳の反応を見ると実際に「心に痛みを感じている」らしい。それは人に傷つけられる方だけではなく、傷つける側の方も同じ。他者に何かを与えることでその人の幸福度が高まるというのも、ヒトの本性は善であることを示していると思う。面白かったです。2017/03/10
Willie the Wildcat
59
普遍的な資質と、”個”の差異が齎す変化。”結果”から後者をフィルターして前者を抽出。行動学、遺伝学、社会学、そして脳科学など多岐に渡る検証を踏まえた結論への賛否両論はともかく、環境の齎す影響は当然という感。「受容」と「排他」という対照、そして根底の共通項に「孤」が脳裏に浮かぶ。興味深いのが、多々散見される”矛盾”。これも人の本性の一端かもしれない。正の罰/負の罰の論旨など、どうにも2人の子供の育て方を父親としてどうだったか・・・と、ついつい我が身を振り返ってしまう。2017/05/10
かみぶくろ
56
3.8/5.0 ヒトの行動や思考がどのように成り立っているのかを分析する、この手の生物学系の本はとても好み。結論として、ヒトの攻撃性よりも、ヒトの協力志向や共感力を優位に持ってきているところがとても印象的だった。統計データを見ると、世界はどんどん平和になってきているらしく、とてもピースな気分になれた。2021/09/13
リキヨシオ
37
ヒトだけが仲間を殺す。その一方でヒトだけが仲間の気持ちを理解できて助け合える生き物。戦争やテロなど騒がれる現代や最も血が流された世紀とされた20世紀…この時代は物騒だというイメージがあるけど、実は暴力や殺人の数はそれ以前に比べて減ってきているという。数値でみると以前よりも世界は平和になりつつあり人間の暴力を抑制する理性も高まっている。この事実は意外に感じたけど、確かに自分は今の時代しか知らない。だから「何となくよくない感じ」を頼りに生きるしかない。だから客観的に過去の数字を知る事も重要だと思う。2016/06/19