講談社学術文庫<br> 再発見 日本の哲学 吉本隆明 詩人の叡智

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講談社学術文庫
再発見 日本の哲学 吉本隆明 詩人の叡智

  • 著者名:菅野覚明【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 講談社(2015/11発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062923132

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内容説明

吉本隆明の思想の本質とはなにか? 「共同幻想」「自己表出」などの独特の用語は何を意味するのか? 初期の詩「固有時との対話」にこそ、吉本思想の本質がすべて現れていると著者はいう。「固有時との対話」を詳細に読み解きつつ、初期から最晩年に至るまで、一貫して通底する吉本の思想の根幹を、あざやかに浮き彫りにする快著!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

無重力蜜柑

10
「再発見日本の哲学」は普通の欧米哲学知識の枠組みでは理解しにくい本が多いシリーズだが、これは輪をかけて分かりにくい。というか正直、クソつまらん。前半はまだ理解できる。戦中世代の「個人」や「社会」に対する独特のスタンス、詩の分析を通した意識の分析、近代的論理と前近代的感性の関係。しかし「固有時」の詳細な解説に入った辺りからわけが分からなくなる。筆者は批評と詩作の一致という観点から当該作を読み解いているが、高度に抽象的な詩がそんな風に読めると言われても「はあ、そうですか」。量子力学や相対性理論の濫用にも辟易。2022/06/30

politics

2
戦後日本において独自の思想を開花させた吉本隆明を主に「詩」に注目して解説した一冊。吉本の思想の難解さは「詩」を使っていることと、理系的バックボーンを持ち合わせているから来ているのかを感じた。私自身は「共同幻想論」の興味から吉本に関心があったが、それを理解するためにも彼の「詩」についても理解しなければならないのだろう。何れにしても吉本の膨大な著作は詩、特に「固有時との対話」が核になって構成されるということは、非常に興味深かった。2020/08/15

2
なんという大胆さ!吉本を論じるに、ほぼ一冊まるごと初期の詩篇『固有時との対話』の読解に捧げることで、あの膨大な仕事の核心をつかみとろうという、空前の野心作だ。はじめの著作にのちの萌芽がすべてうめこまれているとは、よくいわれもし、幾人かにその例をたしかめもしたけれど、こと吉本に関しては、そんな発想を抱いたことすらなかった。自らの頭でひねりだしてゆく強靭な思索に勇気づけられてきた身には、そのすべてが自己をめぐる初発の問いを追究した所産であるという見立ては、読み直しを迫るもので、もっと前に知れたらと悔しくなる。2016/02/25

岡部淳太郎

1
吉本隆明の著作は詩を中心に「言語美」「共同幻想論」「心的現象論序説」「マチウ書試論」「初期ノート」「戦後詩史論」など手に入りやすいものを中心に断片的に呼んだだけだが、この吉本論は非常によくまとまっている。まず批評の役割として読者に批評対象への興味を抱かせるという前提を抑えた上で、吉本のともすれば難解に見えがちな思想の根幹部分をよく説明しえていると思う。これを読んでもう一度「固有時との対話」を読み返し、また、まだ読んでいない吉本の著作を読みたくなった。そう思わせた時点で、本書はある程度の成功を収めている。2018/10/02

miyuki

0
3月16日より。吉本隆明を、詩人哲学者としての立場に定めて、彼の根本思想部分を論じているので、とてもまとまっているが、それにしても難解である。筆者もことわっているように、吉本の理論は専門学問からはずれた部分、つまり作家としての側面が思考や知識の摂取そのものに大きくみられるから、どう論じるかを学術の範囲で述べるのはむづかしいのだろう。この本はまとまってはいるけれども、それにしても難解な、抽象的表現が多く、入門や案内というよりはひとつの吉本論と言った方がよさそうである。2016/04/05

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