沖の権左

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沖の権左

  • ISBN:9784799318041

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内容説明

―権左に銛打つことならず―
勝山に生まれた少年、吾一(ごいち)は、父、重吉(じゅうきち)のように鯨組の頭領を目指していた。
だが不漁に悩んだ重吉は村の掟に反し、巨大鯨「権左(ごんざ)」に挑むも仲間に多大な犠牲を出し、自らも命を落とす。
父の不手際により村を追いだされた吾一は江戸で鯨とは無縁の日々を過ごすも、いつまでも権左を忘れることができない。
しかしある日、偶然にも吾一は権左を取る秘策を思いつく。だがそれは、幕府にご法度とされている手段だった……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

78
『滔々と紅』の次がこれ!装画も良い。もっと鯨漁のことがメインなのかと思ったのだが、しかし逆にリアル感があって面白かった。石工の親方が出来過ぎだったが(笑)板子一枚下は地獄、加えて掉尾による波・・鯨とて命の限りの闘いなのだ。吾一の一途の成長が私にはとても嬉しく思えた。身請けしてシノと幸せに暮らして欲しいな。2016/02/15

はにこ

54
父の捕鯨での失態が元で江戸に出る吾一。権左を撃つのは諦めたのかと思ったけど、壮絶なリベンジに討ってでる。少年だった吾一が仕事を通じて体を大きくし、知恵をつけて女も知る。少々阿呆で沸点も低い男だけど、何とも愛おしい。後半のマッコウクジラを仕留めるシーンは手に汗握る描写だった。前作も良かったし、お気に入りの作家になりそう。2023/12/30

007

26
★★★☆☆ デビュー2作目。どれどれ今度はどんな作品に挑戦したの?と、思いっきり上から目線で読んでみました。房総半島の鯨漁の話で、タイトルの「権佐」は伝説のマッコウクジラの名前。あまりにも都合よく進展するので、オイオイ!とツッコミたくなる場面も多かったし、詰め込み過ぎでもあったけれど、たまにはこういう威勢のいい話もいいんじゃないかな。2016/01/19

カップラーメンマン

2
鯨漁小説二冊目。特に縁があった安房勝山を舞台にしており、現地の海や鯨塚も見に行ったので、非常に親しみが湧く内容。勇魚取る男たちの荒々しさ、海の厳しさをしっかり書いてはいるが、惜しむらくは少々強引な話の展開と主人公吾一の性格、そして話の半分は江戸での鯨漁から離れた話だったということ。それでも、最後には忘れかけていた謎も溶け、ちゃんと楽しめました。2016/02/01

歓蔵

2
これをただの捕鯨の物語と思ったら大間違い。 主人公の吾一と超大型の鯨「権左」にまつわる壮絶な物語が描かれています。 かなり重い展開の連続ですが、終盤にかけての熱い展開は必読です!! 時代小説はあまり読んでなかったですが、予想以上に楽しめましたし、最後まで読んでてよかったと思える作品でした。2016/01/19

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