岩波新書<br> 論文の書き方

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岩波新書
論文の書き方

  • 著者名:清水幾太郎
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 岩波書店(2015/12発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004150923

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内容説明

論文やリポートは,なかなか書けないものである.もとより「いかに考えるべきか」を離れて「いかに書くか」は存在しえない.著者は当代一流の文章家.その文体の明晰暢達はひろく知られている.読者は,著者の多年の執筆経験に即しながら文章というものの秘密を教えられ,文章構成の基本的ルールを興味深く学ぶことができよう.

目次

目  次

 Ⅰ 短文から始めよう
  一千字という世界で
  書くという精神の姿勢
  短文で修業を始めよう
   「槍騎兵」の経験
  短文の修業から長篇へ
  大論文の前にデッサンを

 Ⅱ 誰かの真似をしよう
  清水少年の美文
  大家の文章を真似しよう
  三木清の教訓
  主語を大切にしよう
  何を肯定し、何を否定するのか
  新聞のスタイルを真似してはいけない

 Ⅲ 「が」を警戒しよう
   『社会と個人』の文体
   「が」は小さい魔物である
  新聞は「が」が多い
  話すように書くな
  社交という紐
  書き言葉は孤独である
  孤独から抜け出る道

 Ⅳ 日本語を外国語として取扱おう
  書き始めの苦しみ
  日本語を外国語の如く
  言葉の意味をきめること
  私たちは詩人ではない
  母国語に甘えてはいけない

 Ⅴ 「あるがままに」書くことはやめよう
   「見た通り」の世界と「思った通り」の世界
  文章は空間の時間化
  書くのは私である
  文章は「つくりもの」でよい
  文章は建築物である
   「無駄な穴填めの言葉」
   「八百屋の隣りは魚屋で……」
   「序論」と「結論」とは独立の小建築物だ
  自分のスタイルが出来るということ

 Ⅵ 裸一貫で攻めて行こう
  書くことは観念の爆発である
  ゲーテは秘かに準備した
  何処を自分は攻めているのか
  引用についてのさまざまな問題
  裸一貫になって書こう

 Ⅶ 経験と抽象との間を往復しよう
  大学の一、二年生と三、四年生
  経験の言葉から抽象の言葉へ
  明治初年の造語作業
  後進国の運命
  経験と抽象との間の往復交通
  戦後の教育における享受と表現

 Ⅷ 新しい時代に文章を生かそう
  カーの講演の恐るべき密度
  日本の講演の密度の低さ
  主役が容易に現われない日本語
  話し言葉における孤独
  短くて強い文章を書こう
  テレヴィジョンの挑戦
  テレヴィジョン時代の文章
  言論弾圧による文体の変化
  仮名が多過ぎる文章
  文章の本質を生かそう
  結 び
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

岡本 正行

81
 結構古い本だが、中身は、今でも十分通用する。論文を書くときの注意事項、どうやって論文を書くかの方法である。わかりやすく、懇切に説明してある。今からすれば作者は、有名な学者であり、政治的にも、著名な人である。ほんとうに学者って感じのオーソドックスな学者である。一世を風靡したというか、いまでいえば誰だろう。この人ほど有名、偉い学者はいないのではないか、学者について詳しくもないし、時代を仕切る先頭の学者って、いまは誰だろう。テレビに出る人ではない、立派な学者は。2024/10/13

おせきはん

23
真理や事実を伝えようとする論文も「つくりもの」であることは、自分が文章を書く際はもちろん、読む側としても注意しようと思います。久しぶりに読み、便利な接続助詞である「が」の乱用に注意するようになったのは、この本がきっかけだったことも思い出しました。2020/06/08

kubottar

21
書物を読んだあと、その感想文・紹介文を書く癖をつけると、より一層その書物の内容が自分の身につく。2018/04/03

いの

16
初版は1959年。なのに新鮮で読み手を惹き付ける内容だ。堅苦しくない。ほろ苦い体験や成長に伴う悩みといったものを惜しむことなく1冊の中にまとめられている。文章づくりのルールや心構えが楽しく学べた。個人的には職場のレポート提出で助けてもらえそうだ。思わぬ所に恐怖もあった。小さな魔物「が」。読んでしまった以上簡単には使いたくないものだ。2017/07/17

Michael S.

11
読みながら気になったことは、本文自体はとても理路整然としており達意の文章だけれど、あまりに真面目すぎるというか、無色透明・無味無臭で心がざわつかない文体と感じたことだ。理由を考えながら読み返していると、著者が原因ではなかった。自分の方が、現代の激しい言葉で強い主張が溢れるメディアの文体に慣れすぎて感性が鈍くなっていて、無意識に「文章に刺激と面白さを期待しすぎている」ことに気がついた。この本は「薄味だが正しい味付けの料理」みたいな本だと思う。読む価値あり。2019/06/01

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