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内容説明
作者は作品を支配する神ではない!! 作者と作品を切り離して読んでみよう!! “テクスト”と向き合うことで生まれる文学作品との新しい出会いは、今まで経験したことがないスリリングでクールな読書体験となるでしょう。従来の作家論や作品論による作品読解ではなく、現代文学理論による作品読解を高校生になじみ深い作品や作家で実践的に解説。旧知の作品の新たな魅力を発見する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
73
高橋源一郎が小説を楽しそうに語っていたのは地に足つけた読み方があってこそなのだろうと思っていたところに、お気に入りの方が本書を読まれていて、これだ! と飛びついた。はじめは窮屈に感じた文学理論だが、読み終えてみると今までぼんやりしていた頭の中が整理されたような爽快感。今まで言葉よりも言葉の外にあるものを読んでいた、はその通りなのだが、探していたのは作者の意図などではなく(それが透けて見えるのは興ざめでしかない)、エリ・エリ・レマ・サバクタニ、絶対に辿り着けない真実の探求、終わらない何故を求めていたのだ。2023/06/27
サンタマリア
53
所々難解な箇所があったが、取り扱っている理論を羅生門や山月記等を例にして分かりやすく説明してもらった。これからの読書において全部を実践するのは不可能だが、気が向いたら読書行為論を意識してみようかな。また、読書における解釈の自由を実現するには、あらゆる読み方を理解し、適宜取捨選択する必要があるのではないかと考えた。自分の考えや読み方に固執しそれを自由だと思い込むのは、最も不自由でありその事にすら気づかない、極めて危険なものではないだろうか。2021/08/08
harass
47
確認のために読む。中高生向け新書シリーズの一つ。4つの文学理論を専門用語無しでわかりやすく講義していく。序盤でバルト「作者の死」のことがでて驚く。ロシア・フォルマリズム、「言語行為論」、「読書行為論」、プロップ「昔話形態学」ほんの触りであるが各理論のエッセンスと実例の読み方を紹介してあり、わかりやすく書いてあること感心する。文学理論は難解であるが、自由に読んでいる「はず」の読み方を見直すのによい入門書だと思う。2017/03/10
佐島楓
45
テクストの方法論として、非常にわかりやすく、かつエキサイティング。2016/02/08
まさむ♪ね
35
《ロシア・フォルマリズム》《言語行為論》《読書行為論》《昔話形態学》なにやら聞き慣れない言葉ばかりでしたが、読み進めると、むむぅ、そんな読み方があったのかと目からウロコ。これまで見ていたものとはまた違う、新たな本の世界が見えてきました。極めて技巧的に書かれているということで取り上げられる宮沢賢治『茨海小学校』、ぜひ全文読みたい。あの素朴なイメージの賢治が実は高度なテクニックを駆使して書いていたというのは思いがけない発見でした。《物語とは「言って帰る」ことで、必ず何かの変化が起こる》2015/11/22