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内容説明
昭和6年。文士と親しく交流する女優の母と相場師の父との間に鬼六は生れた。純文学を志すが挫折、酒場経営で夜逃げ、一転中学教師を経て、SM作家として莫大な稼ぎを得る。しかし、映画製作や雑誌の発行に乗り出し破産。周囲は怪しげな輩が取巻いていた……。栄光と転落を繰返す人生は、無限の優しさと赦しに貫かれ、晩年に罹患した病にさえも泰然としていた。波瀾万丈の一代記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けぴ
36
『真剣師 小池重明』の繋がりで本書を読む。大崎善生さんが、団鬼六に一緒に旅したり飲んだり将棋をさしたりしながら積み重ねたインタビューに基づいて記される。SM作家として有名ですが、その後には普通の小説やエッセイ、将棋観戦記なども手掛けており新潮社や角川などからも本を出しており偉大なる大衆小説家であったようです。私生活は周りの人を巻き込んでどんちゃん騒ぎをするのが大好きで、その一つとして小池重明も可愛がっていた。東日本大震災後に2ヶ月ほどで亡くなるが最期まで生きていることを楽しみ尽くす人生の達人であったよう。2025/09/10
たらお
25
「聖の青春」「将棋の子」と読んできた大崎さんのノンフィクションと同様、、団鬼六に好意をもち、寄り添った温かい文章が綴られる。眉をひそめながら読んでいた前半も、後半にはこれはもうこういう人なんだと受け入れ、愛らしく思えてくるから不思議なもの。団鬼六の生涯は縞模様のような陰影をもっており、いい時期があっても挫折や経済的破綻に必ず自分から追い込んでいくように見える。商売や相場に嫌というほど見捨てられるけれど、エロの神は団鬼六を決して離さなかったというところもおもしろい。団鬼六は懐深くて、明け透けで、豪快。2017/02/19
いちろく
24
ノンフィクションフェア対象の1冊。SM官能小説の第一人者、そして、趣味の将棋に日本一お金を使ったとも言われる団鬼六の生涯を描いたノンフィクション。その一生は、まさに波乱万丈。栄光と挫折の繰り返しは、まさに人生山あり谷あり。それでも、懐の深さはタイトルの赦す人そのもの。聖の青春の著者が描く内容は、将棋の世界に詳しくない人にも優しく解りやすい。2016/03/21
緋莢
19
父は相場師、母は文士と親しく交流する女優。純文学を志すも挫折。紆余曲折を経て、SM作家として、大ブレイクした団鬼六。多くの人間が集まるが、断筆宣言と将棋雑誌発行に乗り出し、破産してしまい・・・波乱万丈の人生を追った一代記。2017/01/08
けいちゃっぷ
8
団鬼六というとSM作家というイメージだろうが、私にとっては将棋を通じて知った人なので、将棋や棋界の好きな作家という程度の認識。 ところがこれを読むとそんなもんじゃない。 波瀾万丈としか言いようがない振幅の大きな人生。 けれど団鬼六さんの器の大きさが人を惹きつけたのでしょうね。 570ページ 2015/07/08
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