角川文庫<br> 花の降る午後

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角川文庫
花の降る午後

  • 著者名:宮本輝【著者】
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • 特価 ¥418(本体¥380)
  • KADOKAWA(2015/11発売)
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  • ISBN:9784041469040

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内容説明

最愛の夫を癌で亡くし、神戸の老舗レストランを女手一つで切り盛りする典子。仕事は厳しく人の良いシェフ、実直で有能な支配人、懸命に働くウェイターたち――。店を継いでからの四年間を振り返ると、彼女はとても充ち足りる。そんなある日、生前の夫に買ってもらい、今は店に掛けた油絵を貸してくれという青年が現れた。彼の名は高見雅道。その〈白い家〉という絵の作者だった。一方、店を狙う魔の手が伸びてきて――。典子に訪れた恋、そして、今、闘いが始まる。異国情緒溢れる神戸を舞台に描く真摯に生きる人々の幸福物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ろくせい@やまもとかねよし

197
若くして亡くなった夫の後を継ぎ、神戸のフランス料理店を経営する37歳の未亡人が主人公。神戸らしく多国籍な仕掛けを散りばめた物語で、それらをどんどん回収していく。主題は人間の幸福か。主人公は現状の幸福を問う。過去から得た幸せと未来に想像する幸せを秤にかけ答えを探す。また、その過程では、自己意識における利己と利他の割合を惜しみなく変動させる。物語の背景に備える「倒錯」と表した極端な社会的な禁忌と不条理が、主人公の揺れる心情の現実性を高めたか。幸福とは自己の意識でしか決めることができないと表現している気がした。2020/07/04

NAO

77
いかにも神戸が舞台らしい、華やかな恋愛小説。フレンチレストランを経営する典子の周辺には、彼女を支える男たちが多い。そういった男たちの知恵を素直に聞き、その上で自分なりの判断もする典子は、かなり賢い女性なのだろう。その賢い女性が溺れていく、画家との恋。美人で、賢く、たくさんの男たちに支えられ、乗っ取りの危機から店を救い、恋も順調。「善人は幸せにならなければならない」との作者のあとがき通り、善人である典子には、幸せが約束されている。 ただ、あまりにもうまくできすぎている感もあるけれど。2019/04/08

きりこ

74
レストランの女主人である若き未亡人典子。画家との恋愛と店の乗っ取り計画が同時に進み、物語に深みを持たせています。店主としての責任ある仕事と恋愛のどちらを選ぶのか揺らぐ心が細やかに描かれています。典子を陥れようと策略を巡らす女性たちなど、様々な感情や利害関係に動かされる人間の内実まで迫っていきます。その反面典子を助け支えてくれる周りの人々の温かさ。複雑な人間模様が絡み合って展開していくストーリーが面白いです。人間のありよう、生き方を問う所は宮本作品に共通して見られるものですね。続く→ 2014/08/16

遥かなる想い

52
お決まりの昼メロ作品. 書くネタがなくなってきているのだろうか? 2010/05/09

美雀(みすず)

38
未亡人のレストランオーナーと青年画家との恋の行方とゴタゴタの顛末はどうなるのだろうと思いながら読んでました。典子がスカーレット・オハラに見えるなぁ。素敵な女性だと思いました。2013/10/19

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