岩波新書<br> 不可能を可能に点字の世界を駆けぬける

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岩波新書
不可能を可能に点字の世界を駆けぬける

  • 著者名:田中徹二
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 岩波書店(2015/11発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004315605

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内容説明

音声デジタル図書のネットワークを創り,ホームの転落防止柵設置に尽力.日用品に点字をつけることや,道路の点字ブロックのありかたにもたずさわる.十代末で光を失った著者は,日本点字図書館での活動を中心に,時には国境を越えて,誰もが暮らしやすい社会をめざしていく.躍動感あふれるエッセイ.

目次

目  次

 序 章 光を失って
   失明、そして国立東京光明寮へ/入院先で点字を教えてくれた人/失明したあとの仕事/日本点字図書館に出入りするようになって
  点字とコンピュータ

 第1章 デジタル化、始まる
  1 日本点字図書館へ、ようこそ
    「知の滝」がお迎えします/図書製作部門/情報サービス部門/盲人用具部門/川崎市視覚障害者情報文化センター
  2 デジタル化の波に乗る
   点字カセットシステム研究会/てんやく広場
  3 デイジー図書の登場
   デイジーの導入/ 「びぶりおネット」の誕生/サピエ図書館/テキスト・デイジーとマルチメディア・デイジー
  視覚障害者用図書情報提供ネットワーク

 第2章 日本点字図書館の軌跡
  1 創立者本間一夫さん
   本間さんとの出会い/日本点字図書館の誕生/本間さんから学んだこと/お別れ会/副館長、直居鉄さんのこと
  2 日本点字図書館での日々
   建物の新築/ハチドリが落とした一滴の水/チャリティコンサートの実績/日点カルチャー講座
  ラジオとの出会い──NHKの『盲人の時間』

 第3章 点字大好き人間の使命
  1 点字でつながる
   日本点字委員会の結成/ルイ・ブライユの故郷を訪ねて/点字改革に取り組む世界の人々
  2 点字で発信する──投票、教育、音楽
   視覚障害者の点字投票/中国の点字出版所を訪ねて/教科書と点字/デジタル教科書の先駆け/点字楽譜
  出版との出会い──『点字ジャーナル』、そして辞典の編集へ

 第4章 恐ろしいホームからの転落
  1 日本のホームで
   上野孝司さんの事故/多い転落経験者/田中一郎さんが遺したもの
  2 ドイツの場合
   アンゲリーカさんが死んだ!/感覚の違いか
 第5章 バリアフリーをめざして
  1 移動するために
   南北線の快挙/劣悪な道路環境/点字ブロック/歩行補助器も頼れない/音響信号機
  2 アクセシブルデザイン
   ガイドラインやJIS、ISO規格をつくる/交通のガイドライン/高齢者と障害者
 第6章 国境を越えて
  1 国際協力事業を始める
   丸山一郎さんとの出会い/ネパールへ/グエン・バン・ホンさんのこと
  2 アジアでのパソコン指導
   コンピュータ点字製作技術指導の講習会/池田輝子ICT事業/日本への留学生、海外への留学生
   おわりに
   表1 本間一夫文化賞一覧
   表2 チャリティコンサート一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

寝落ち6段

8
点字の世界。著者自身が網膜剥離を経て、視覚障害者となり、どのような世界で生きてきたのか。目に不自由さのない私には、想像しかできない。実際の経験談を通さないとわからないことがたくさんある。なので、このような書籍はとても大切だと思う。2019/10/05

p31xxx

4
全盲でも点字を使わない方がいる,PC普及の影響,点字の工業規格の話などが,点字について日ごろ意識しない自分としてはそういう事情があるということを知れてためになった.2017/03/29

FKtaro

4
バリアフリーなんて言葉もない時代から凄まじいバイタリティで活動し続けている著者。自分の目は何のために見えてるんかと恥ずかしなります。偉人の素養は見る聞く話すではなく心に宿ってるんだと痛感。2015/12/15

玻璃

3
本書で描かれている「点字の世界」は、亡父が点字図書館を利用させていただいていた頃からは想像もできないものだ。今は点字で漢字かな混じり文を書くことができ、カセットテープはデジタルデータになって、なかには視覚障害者だけでなく発達障害者の利便にも供されているものもある。デジタル化は視覚障害者の職業選択の幅も大きく広げた。電車のホームからの転落事故防止、国際貢献事業など、まさに「駆けぬけ」てきた著者の、“点字が大好き、関わる人たちみんなが大好き”という気持ちが伝わってくる。2015/10/13

おせきはん

3
ご自身も視覚障害者で、日本点字図書館理事長を務める著者が、視覚障害者向け図書の電子化、鉄道の駅のホームでの転落事故防止に向けた取り組み、国際協力事業をはじめとする幅広い活動をまとめています。漢字の点字があること、著者を含め何度もホームから落ちた経験のある視覚障害者が多いこと、ネパールには国家公務員上級試験に合格した視覚障害者が2名いることなどは初めて知りました。図書の電子化が進むと、視覚障害者の方々も手軽に図書にアクセスできるようになるので、いいですね。2015/09/12

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