100年インタビュー<br> 共に生きるということ - be humane

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100年インタビュー
共に生きるということ - be humane

  • 著者名:緒方貞子
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • PHP研究所(2015/11発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569782140

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内容説明

時代を切り開いてきた人の半生をたどり、思いや夢に迫るNHKBSの番組「100年インタビュー」の単行本化。今回は元国連難民高等弁務官で、現在国際協力機構特別顧問の緒方貞子さんのお話。父は外交官、曽祖父は犬養毅元首相という家に生まれ、アメリカや中国で幼少期を過ごす。大学卒業後、二度のアメリカ留学を果たし、結婚後は夫の仕事で大阪、ロンドンに住み、子育てをしながら、国際基督教大学の非常勤講師に。市川房枝の働きかけで国連公使として総会へ出席。その後、多国間外交の経験を積む。1991年、それまでヨーロッパの男性政治家が就いていた国連難民高等弁務官に初の女性、初の学者出身者で就任。冷戦集結後の宗教や民族間の対立が激化した10年間、世界中の難民支援を指揮した。その後、国際協力機構理事長として復興支援に尽力。前例のない難局を乗り越えてきた日々に貫いてきた信念、平和を築く哲学、国際社会での日本の役割を語る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kawai Hideki

105
緒方さんの子供時代から始まって、学生時代の博士論文のテーマ「満州事変」、子育てしながら積み上げた国際政治の研究者としてのキャリア、国連難民高等弁務官として関わった数々の国際紛争、JICAでの復興支援活動などを振り返りつつ、これからの世界と日本についての課題と期待を示す。とてもコンパクトにまとまっている。紛争地域で人間の命を守るために必要なのは、軍事力ではなく、人間らしくある(be humane)ための共通の価値観。価値観の共有がないままコミュニケーションばかりが先行する現状への懸念が印象に残った。2015/08/21

たまきら

35
こんなに短く的確な言葉で、「紛争」「支援」「国際協力」を理解させてもらえたことはない気がします。いま、こういう時期だからこそ、余計に胸に深くしみたのかもしれません。スピードの重要性を、いまの日本の政治家たちに再度かみしめてほしい。そして、一市民ができることも考えてみたい。2020/04/07

けんとまん1007

33
UNHCR長官としての10年。前例に囚われず、根源的な問題・存在意義を問いながら、決断をし行動されてきたことが、とてもよくわかる。迷ったときには、基本点に戻るということ。凄まじい現実を見てこられたからこその視点なのだ。共に生きる・・これからはますます、お互いに依存する深さが深くなると言うこと、情報・コミュニケーションが走りすぎて、そのもとにある文化・背景を見ないままの判断が蔓延っているという危機感。深い経験に裏打ちされた言葉には、こころが揺さぶられる。2014/12/13

みねたか@

29
NHKによる緒方貞子さんインタビュー。子育てに専念した時期を経て研究者となり,そして国連の世界へ。初の非政治家出身の高等難民弁務官。なんと勇敢な人生。就任した91年以後クルド人難民,ボスニア紛争,ルワンダ内戦と数々の修羅場が続く。それぞれに多くの言葉を費やしてはいないが,「命を守る」ため臨機応変にことに当たった矜持を強く感じる。「暮らし方,願望,伝統が分からない中,情報だけが行きかうとガバナンスできない状況が生まれる」という危機感も,この方の言葉だけにずっしりと重い。2019/02/25

てんちゃん

29
元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんのインタビュー本。生い立ち、国連、JICAでの活躍、日本の外交や世界の在り方についての緒方さんの思いが語られている。とても賢明で行動力も挑戦心もある方。これだけの活躍をしながら結婚も子育ても経ておられるから驚き。ボスニアやルワンダでの難民問題の複雑さにも触れられている。辛い記憶があるから、再び行きたいとは思わないと語られる。本当にギリギリの悲惨な状況をさばいてきた方。とてもタフだ。『be humane-人間らしさに徹底せよ』緒方さんの口癖のようだが彼女の信念を表している。2017/10/04

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