内容説明
東大の日本史入試問題や歴史研究の場で重視されているのは、「歴史の大きな流れをつかむこと」「史料や文献を読んで歴史をどのように解釈するかを問うこと」です。これが「東大流」で、決して細かい年号や事項を覚えることが、日本史を理解することではないのです。本書では、東京大学の山本博文教授による「歴史の大きな流れをつかむ」技法に基づき、古代から現代まで、最新の研究成果を取り入れつつ、歴史の重要ポイントを読み直します。学校の授業や教科書ではよくわからなかった「歴史の流れ」や「歴史の見方」がわかってきます。「聖徳太子はなぜ天皇になれなかったのか?」「武士はどのようにして生まれたのか?」「藤原道長はなぜ関白にならなかったのか?」「なぜ鎌倉幕府は滅びたのか?」「ペリーはなぜ日本に来たのか?」などといった疑問もスッキリ解消。東大教授による日本史再発見。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
48
私が昔学んでいた日本史とは異なった記述があちこちに見られ、歴史の知識もアップデートしていかなければならないのだなと思った。2015/08/12
はる坊
18
歴史って紐解けばただの人間ドラマなんだなーって再認識。天皇家の争いとかその法律を制定する本当の意義など興味深いものばかり。歴史を勉強する時にその時代背景もしっかり把握することによって、何倍もの深みのある知見が得られ、面白さも増す。もっと日本史が知りたいって思わせてくれる良書。2015/11/07
謙信公
17
「東大流」とは、あくまで史料の正しい解釈を追究すること。「歴史の大きな流れをつかむ」技法に、最新の研究成果を取り入れてQ&Aで解説。邪馬台国はどこ?鎌倉幕府の成立はいつ?などの基礎的な質問から、継体天皇の時に王朝交代は?桶狭間は奇襲ではなかった?など教科書から少し離れたような質問まで丁寧に解説。太字での強調部分前後の新説も交えた考察が面白い。特に司馬史観の徹底批判は圧巻。自分が歴史のどの段階に生きているのかを客観的に見ることが歴史を学ぶことの効用だとする。二千年続く日本の歴史は激動をくぐり抜けて今がある。2024/02/27
ゆうゆう
6
読んでいて、江戸時代より前の時代が極端に弱いと思った。江戸時代が強い訳ではないが、時代もの小説&ドラマの影響かもしれないが、馴染みはある。そろそろ「応仁の乱」に、チャレンジかな。2017/09/10
ソーシャ
5
角川マンガ日本史の監修者が56のトピックを通して、現在の日本史研究の知見を語っていく本。トピックが前近代に寄っているものの、教科書の記述の裏側にある背景が、文献を参照しつつ解説されています。ただ、高校日本史について、ある程度の予備知識がないとついていくのはきつそうです。2015/11/12