内容説明
小学校卒業の直前、悲しい記憶とともに拳銃をタイムカプセルに封じ込めた幼なじみ四人組。23年後、各々の道を歩んでいた彼らはある殺人事件をきっかけに再会する。わかっていることは一つだけ。四人の中に、拳銃を掘り出した人間がいる。繋がった過去と現在の事件の真相とは。<第56回江戸川乱歩賞受賞作>
目次
第一章 殺意
第二章 邂逅
第三章 疑心
第四章 初恋
第五章 遠き日の銃声
第六章 心の闇
最終章 再会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
334
ふーむ。いろいろツッコミどころはあったが、ラストはちゃんとつじつま合っているように思う。リーダビリティについては、太鼓判押します。江戸川乱歩賞かぁ、先の楽しみな作家さんですね。2018/04/21
夢追人009
331
人気作家・横関大さんの記念すべきデビュー作で2010年に刊行された第56回江戸川乱歩賞受賞作ですよ。解説を読むと著者は本書以前に3度も乱歩賞に応募しながら落選を繰り返されたとの事でマジで新人作家にとっては超難関なのだなと思いましたね。選考委員の方が超一流のプロ作家の方々ですので厳しく審査されて該当作なしの年も多いのですから誠に狭き門で人一倍苦労された著者は受賞の喜びもひとしおでしたでしょうね。本書を読んだ感想はまあ実に捻りの効いたストーリーでこれだけ複雑な筋立てでないと受賞は難しいのかなと感嘆しましたね。2022/03/08
ナイスネイチャ
208
図書館本。最近横関さん嵌まってます!シンプルに面白いです!四人の友情も良かったです。あらすじで書くと本当にシンプルな内容ですが、臨場感あふれてました。2015/10/28
ALATA
156
殺意、邂逅、疑心そして再会。二十三年前の事件で紛失した銃が心の闇を映しだす。大人になった四人のそれぞれの視点で語られる倒叙型のストーリーとそれぞれの立場で変容していく関係が加わり面白かった。解説にもあるが銃声のメイントリックにはちょっと苦しいところはあったがグイグイ読めて他の作品も読みたいところ★4※幼なじみがある事件をきっかけに刑事となって再会する。まるで、映画「ミスティック・リバー」のような展開。複雑に交差する人間関係、プロットはこちらがスッキリしていて好みです。2024/02/18
佐々陽太朗(K.Tsubota)
155
ご都合主義とのそしりを免れぬところはある。たしかにそれはあるが、それにもましてよく考えられ、よく練られ、面白いミステリーに仕上がっている。素晴らしい。意外性とどんでん返しの連続技にまいりました。苦労の末の江戸川乱歩賞受賞を心からお祝い申し上げたい。選ばれて当然でしょう。 2014/12/11