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内容説明
釈迦誕生からその後の仏教の変遷をたどると、ブッダは実在の人物ではなく創り出された一つの観念だった。その観念から、人物としてのブッダが生み出されていった道筋を読み解いた日本初の画期的な「ブッダ伝」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
憲法記念日そっくりおじさん・寺9条
55
これは面白い。島田裕巳という人はちょいちょい良い本を書いていると思う。内容はズバリ題名通り、お釈迦様は実在しなかったという、仏教徒には身も蓋もない証明の本。これを読めば確かにいなかっただろうと思わせる。キリストだって怪しい。まずブッダという観念が生まれ、そこから一人の人物としてのブッダが作られていっただろう過程がよくわかる。江戸時代に一般に流通した釈迦伝は、現在伝わる伝記と全く別物。日本人はブッダをよく知らずに拝んでいたのだ。あと、小さな記述だが、ザビエルが日本に来た記録は日本には無いというのはびっくり。2016/01/13
禿童子
33
現代の日本における仏教の捉え方が江戸近世までの宗派仏教と、明治以降の初期仏教に分裂していると見立てています。キリスト教をベースとした宗教学では常に始祖の実像を探求する原初への回帰が働き、仏教に対してもこの視点から「初期仏教」は何か、ブッダは実在したのかという学問的な問いがなされます。表題はその結論ですが、島田裕巳は、四諦八正道や十二縁起説というブッダの教えの核心に留まらずに絶えず分岐して拡散する動きそのものを「仏教」と観る点で、他の仏教学者と一線を画するように見えます。2022/05/07
AICHAN
29
図書館本。菩提樹の下で悟りを開いた釈迦族の王子・ゴータマ・シッダルタ(釈迦)は実在しなかったという衝撃の説。仏教経典はすべて釈迦の死後に作られた。小乗経典が先に作られ、大乗経典は死後数百年を経て作られた。大乗と小乗とはまるで違う教義になっている。少なくとも大乗は釈迦の教えではないと言い切れる。小乗も怪しい。しかもインドから中国、朝鮮半島を経て日本に伝わるうちに、いわゆる仏教は大きく変質した。だから釈迦の教えが正確に伝わっているとは言いがたい。というだけではなく、釈迦自体の実在が怪しいというのだ。2016/11/30
KAKAPO
25
この本の目的は、仏教という宗教の特徴を明らかにすることにある、とのことです。日本で定着しているのは、ブッダの没後に生まれた大乗仏教で、伝承に関った宗派の宗祖たちは、ブッダの存在すら知らなかった?という説は、葬式仏教しか知らない私のような人にとって、驚きだろう。島田裕巳さんは、様々な資料を読み解き「ブッダは実在しない」と考えた方が自然だ、と説いた後で「仏教は、つねに発展を続けていく宗教であり、開かれた宗教なのである。」と締めくくっている。仏教は、破滅に向かう暴走列車のような世界を止めることができるだろうか?2019/01/26
fseigojp
19
大乗仏教とか密教の歴史も押さえてほしかった 原始仏教というのが根本にあり多くのブッダがいたという推論は面白かった2016/11/11
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