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内容説明
こんな痛快な男はもうどこにもいない。「大統領や首相の代わりはできるけど、勝新の代わりは誰ができるんだ?」「今後はパンツをはかないようにする」「俺としゃぶしゃぶか? 一つ“シャブ”が多いんじゃないか?」脚本を破壊し、役柄に自らを同化させることを是とした名優、勝新太郎。彼の最後の「弟子」が描く、「最後の役者」勝新の真実とは。――みんな勝新が大好きだった!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
34
「稀代」勝新太郎を表す言葉はこれしかない。その次に来る単語が何にしてもあてはまる。もうこんな人は出てこないんじゃないかと思う。石原裕次郎や美空ひばりは今でもTV番組にはなるけど勝新の話題はないねぇ。寂しい。勝新の頭の中には映画の事しかなかったんだろうな。両雄は並び立たずなんだろうけど黒澤との「影武者」観たかったなと思わせる。豪快な数々のエピソード満載だけれど公私の別などお構いなく勝新だった。「座頭市」の殺陣が観たくなった。2016/10/06
nishiyan
13
雑誌連載を担当したことから最後の「弟子」となった田崎健太氏による勝新太郎の評伝。田崎氏の著作は以前に『真説・長州力』を読んでいたのだが、同書が長州力とは一歩引いた立ち位置で書いているのに対して、本書では勝新太郎への並々ならぬ思い入れが詰まっており、同じ著者が書いていたものなのかと思ったくらいだった。なんといっても圧巻なのは第十二章から始まる勝と出会いと、勝の死に至るまでの描写である。綿密であり、情感たっぷりで、まるで映画を見ているかのようである。本書は人間・勝新太郎を浮き彫りにした傑作だと思った。2019/01/16
スプリント
11
経営感覚にすぐれたブレーンがいたらもっと活躍の場があったと思います。 破天荒な生き方の裏に「勝新太郎」をプライベートでも演じ続けなければならなかった悲哀が感じられます。勝新太郎だけでなく関係した監督やスタッフ、共演者も非常に個性が強く魅力的な人物が登場します。2015/12/05
0607xxx
11
最近、CS放送のドラマ版「座頭市」が楽しみの一つになっている私にとって嬉しい文庫化。「俺が座頭市だ」という通り座頭市はカツシンしかいないと思う。知れば知る程、興味が沸く男、勝新太郎。こんな俳優は二度と出てこないと思う。2015/10/27
駄目男
5
勝新太郎、豪放磊落にして天才。 それでいて神経細やかな優しい人だったと人は言う。 この本を読んで、改めて勝新の人間性に惚れ直した。 確かに一見、強面で親分肌な風貌だが、彼ほど人間味溢れた人も稀だろう。 それにしても勝新太郎という人は役者としても人間としてもスケールの大きさでは群を抜いており、読了後の感想としては、本が面白かったというより勝新の魅力に惹き込まれたという方が正しいと思える。 2016/02/12