なぜ名経営者は石田梅岩に学ぶのか?

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なぜ名経営者は石田梅岩に学ぶのか?

  • ISBN:9784799317778

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内容説明

稲盛和夫はじめ多くの経営者が傾倒する「江戸時代のドラッカー」に今こそ学べ!

「勤勉」「正直」「時間に正確」など、近代化と高度成長を支えた日本人の美徳と呼ばれるものは、江戸時代の思想家、石田梅岩によってつくられた。

日本は江戸時代の間に、相当の発展を遂げていた。その力の源は、名もなき庶民だった。町人や農民は、実に勤勉で、猛烈に働いていたのだ。
日本の民衆が、優れた労働者だったこと。これが、瞬く間に近代化できたことや、第二次大戦後、驚異的な速度で復興を遂げることのできた理由だ。指導者が、画期的な経済政策を思いついて、それによって経済力を向上させたのではない。優秀な労働者が、世界のどの国よりも多くいたことこそが、日本の経済的な強みだったのだ。

なぜ、日本という国は、そのような条件を備えることができたのだろうか。この疑問への一つの回答が、石門心学という思想にある。
石門心学は、京都の商人だった石田梅岩(1685~1744年)という人物が創始した学問だ。梅岩は、「人はどう生きるのが正しいのか」ということを、ひたすら考え抜いた。しかし、梅岩は人間のことだけを考察したのではなく、社会の構造や、さまざまな職業がどういった役割を果たしているのかについても、探求している。
元々は商人だっただけあり、梅岩は商業のこと、そして経済のことを、皮膚感覚で理解していた。そして、商人を引退し思想家となってからは、商業や経済を明確な言葉で説明することにも、大いに注力した。

梅岩の思想は、弟子たちによって日本中に広げられた。そして、さまざまな階級の人々が、これを熱心に学んだ。梅岩の思想は、毎日の仕事に大きな意味を付与してくれるものだったからだ。梅岩の考えを学んだ人々は、道徳的な向上を遂げ、感情と行為に自信を持ち、人間関係を和やかにすることに努めた。
そして、道徳的向上を遂げた人々の多くは、仕事の成果も、以前よりよいものとなった。真面目で、周りに気を使う民衆が、一国の経済発展に貢献し始めたのだった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まちなかのノコギリ屋根

1
ドラッカーと石田梅岩との比較をしながら、論を進めたり、読みやすさを求めて書かれた書籍だと思います。ちょっと難しいところはありますが、楽しくも勉強になる書籍でした。KU2024/05/09

ロドニー

1
日本の経済の真の強さは道徳力に秘められている。アダム・スミスも「国富論」の大前提として「道徳感情論」で人間の在るべき姿を描いている。市場というシステムに参加する資格を説いている。石田梅岩は和合を重んじ、共同体が維持されることが目標とする。凄く馴染める考え方だし、ジョブ型、成果主義は導入するにしても日本流にアレンジする必要があるのではないか、と改めて考えさせられる。2024/04/21

ポルターガイスト

1
西洋のいろんな思想家と組み合わされることで石田梅岩の現代性や歴史的意義がわかったよーな気がする。カルヴァン,アダム・スミス,マルクス,ボードリヤール。けど最後まで読み終わったときやっぱ牽強付会だったんじゃないかとも思う。2018/11/14

よねちゃん

1
p228「ルールの遵守と数字の計算を最優先し、哲学を欠落させた判断のみに頼ることは、極めて危険です。」 なぜ、ルール至上主義になってしまったのか?プログラムで動くPCが使われるようになって間違いが許されなくなったからか?学校での道徳や歴史の教育がまずいからか?そういう頭の人はやがてどこかで崩壊するね。2016/06/02

呑司 ゛クリケット“苅岡

0
この著作を読んで本多清六を思い出した。歴史に埋もれた思想家はまだまだ見つけられずに数多く存在しているのかもしれない。ベラーに感謝しつつ読み進めた。勤勉で素直に学ぶ職人が近代化を推し進めた。共感する生き物てある人類が商行為をする正当性。正直場所和合になる。互助の精神と倹約すること。そして他人を思いやる市民性など興味深い箇所も多い。石門心学をもっと知りたいと思った。2024/08/17

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