内容説明
いつも他人のものばかり欲しがる幼なじみに悩まされ続けたOLが、最後に打った手は……? 恋にも仕事にも疲れ果てた女性が、地下鉄で見かけた華やかなビジネスウーマンの後をつけ、見てしまった“素顔”とは……? 天使なんかじゃない、等身大の女性たちが、ふとしたことから事件に巻き込まれ、意外な人間性の断面をのぞかせる。鮮やかな描写が心を抉(えぐ)る9つの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
476
永井さん特有の、ちょっと寂しくてしたたかで、ちょっと意地悪な女たちのミステリー短編集。短編にありがちの、多少のこじつけと無理くりな殺人動機。それでも読ませてしまうのは、彼女の筆力。国際線スッチーの『プレゼント』が印象的。単にスッチーがわたしの憧れの職業だから(笑)読みながらやはり腰を押さえてしまった。腰痛とは切り離せないお仕事なのね。イツツツツ。2020/07/12
アッシュ姉
74
するみさん五冊目。ふとしたことから事件に巻き込まれた女性たちが見せる意外な一面。策略、疑念、嫉妬、復讐、普段は見せない裏の顔が露呈していく様が面白い。スカッとしたり、ホッとしたり、ヒヤッとしたりとバラエティに富んだ短編九話。一話目の「別れてほしい」のインパクトが強すぎて、あとの話の印象が薄まった感があるが、後半の「マリーゴールド」「プレゼント」も良かった。2018/01/10
くろにゃんこ
46
9つの短編。起こる事件を解決しちゃう凄さ!警察はいらないね(笑)うーん、なるほど~と楽しい。ひとつだけ客室乗務員さんの話はモヤモヤ・・・そんなことしたらバレるにきまってるじゃん(-_-;)2021/11/23
bibi
36
初読みの作家さん。今邑彩さんを知ったときの衝撃と同じです!「わぁ~、すごく面白い!」と思ってたら、もう亡くなっていた方。「なんで今までこの方の本と出会わなかったの!?」と思った同時に数限りある作品を大切に読もうと思いました。いい感じのイヤミスと展開の面白さに惹かれました。2018/06/17
酔拳2
35
短編集。どの話もラストはどんでん返しあり、一話も短いからサクサク読めた。ほぼ全てイヤミス。でも、スカッとジャパン的なのもあったかな。主人公の中には一般人なのに類い稀な推理力を発揮する人もいるが、面白いからよし。女の嫉妬系が嫌な感じはするが、ページを手繰る手は止まらなかった。この作家さんもっと有名でもいいと思うけどな。2018/05/17