内容説明
ある朝目覚めるとゴキブリになっていた元人間のペリプラ葉古(はぶる)。無類のミステリ好きだった葉古は、昆虫界の名探偵、熊ん蜂シロコパκ(カッパ)の助手となった。人の論理が通用しない異世界で巻き起こる複雑怪奇な難事件を、クロオオアリの刑事の力も借りて見事解決していく! 「ジョロウグモの拘(こだわり)」を追加収録。昆虫と本格ミステリについてのユニークな注釈を新たに付加。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょこまーぶる
83
昆虫好きな方には堪らない一冊だと思いました。ある日、ゴキブリになってしまった男が、熊ん蜂探偵事務所の蜂の探偵さんの助手となって、昆虫界の難事件?を解決していくという内容なんですが、本当に珍しい推理小説だなぁ~と思いながら読み進めました。でも、昆虫視点で事件を解決していくので、昆虫の生態を無視して展開することはできないので、多くの生態を理解することができて、ある意味残酷な昆虫の世界を垣間見ることができて面白かったですね。図鑑を見ながらの謎解きの様でした。でも、昆虫嫌いな方には厳しいかもしれないですね。2017/02/26
takaC
79
これ、オレはかなり好きなのだ。2017/06/04
Bugsy Malone
67
「目が覚めると、葉古小吉はゴキブリになっていた。」何て気をそそる1行目でしょう。続く「前口上」という前書きを読んだだけで、そのユーモアセンスにこの本の虜となってしまった。有名な推理小説の題名をパロった本編7話も後口上も、昆虫界の摂理を元にシッカリと本格していて楽しい事楽しいこと。推理と昆虫の生態とユーモアに溢れたとても面白い1冊でした。2016/05/16
ばりぼー
39
「目が覚めると、葉古小吉はゴキブリになっていた」と、いきなりヤマトゴキブリの詳細なイラスト付きで始まります。そこを何とかクリアして、「別嬪さん」とか「あっし」といった大仰な言葉遣いに目をつぶれば、ミステリ好きなら楽しめること間違いなし!「蝶々殺蛾事件」「哲学虫の密室」「昼のセミ」など、名作をモチーフにした設定も十分練られているし、その謎解きも昆虫の行動論理に貫かれていて、(素人には到底わかりませんが)実にフェアです。アメンボも溺れるとか、昆虫の生態に関する蘊蓄も盛りだくさんで、勉強になるバカミスです。2013/10/16
きっしぃ
35
法医昆虫捜査官みたいのじゃないよ。虫が探偵で、虫が依頼人の、虫の世界のミステリ。主人公は探偵助手のヤマトゴキブリ😱虫の絵柄はつけないで欲しかった…。早々にゴキブリの絵を見て読むの止めようかと思ったけど、頑張って最後まで読みました(笑)殺虫事件や虫の世界で起きる不思議な事件を、虫の生態などから謎を解く。作者の本格ミステリ愛も伝わります。変わったミステリが読みたい方にはおすすめ。2020/05/30