内容説明
「殺(や)る前に、一つだけ面白い話を聞かせてやろうか。よく言うだろ、冥土の土産ってやつだよ」そう言う種村を、俺はコートのポケット越しに3発撃った。――どうしたことか、殺し屋の俺が命を狙われはじめた。どうやらそれは、俺の塒(ねぐら)が関係しているらしく(「冥土の土産」)。ハードボイルドの新星と期待されながら、1999年末急逝した著者、渾身の連作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
61
風間さん本はこれで最後か・・の気持ちを汲んでくれたような最高の作品。プロの殺し屋とその殺し屋をサポートする面々。勿論室井さんも登場します。この本だけは「深志荘」の住人を読んでからにして~!とは言わない。これ一冊で風間さんに惚れます。どうしてこれが片道切符なんだろう?と考えながら、冥土の土産って題も、地獄の沙汰も三途の川も金次第。命のやり取り・・三途の川で完結したはずが蘇って・・。こんなに面白い風間さんの本とも、もうお終いかあ・・と。ところが今見つけました!。「今夜も木枯らし」の続きを!。明日には届きます。2017/08/09
森オサム
32
著者の作品読むのは2冊目かな?、随分と久しぶりでした。今作の主人公は殺し屋。やる事は結構シビアでクールなんだけど、会話や思考(一人称なので主人公のもの)にユーモアが有り、読み易くてとても楽しかった。エピソードで話は区切って有るが、連作短編集であり通してストーリーが繋がっている構成。面白いのは、単行本では3話で終わりなのでそこでエンディングの様なラストを迎えながら、文庫では更に1話追加で復活する所。であれば今後も続けて続編刊行となって欲しかったが、これが著者最後の作品でお亡くなりになってしまいました。無念。2025/04/06
まめこ
14
★★★★☆格好いいだけの男たちじゃなかったんだな~、烏堂も室井も、それに女たちも魅力的!俺に銃をむけた相手は顔見知りでも生かしちゃおけない殺し屋稼業。1人やるのにS&Wで3発。最近のお気に入りは、依頼人を教えてやる冥土の土産(悪趣味!)。そんな殺し屋の俺が芋づる式に命を狙われだす。烏堂のひねくれた優しさ、鳳蘭なら気付けたかもしれないが京鈴は…これでいいのかハードボイルドだもの(笑)2021/01/30
ヤスヒ
9
風間一輝さんの作品は「男たちは北へ」と「漂泊者」も既に読んでいるが今回も凄く面白かった。今回の主人公は殺し屋。いわゆるアイトローなのだが 己の信念を曲げずに行動する姿はやはりカッコイイ。ただそれだけでなく人間くささも垣間見えるからそこもイイ!!主人公だけでなく脇を固める仲間?も魅力的なのが風間作品。普段ならあまり読まないジャンルであったのだが偶然に読んでからすっかり風間さんのファンになってしまった。それだけに未読の作品が入手困難なのともう新作を読む事が出来なくなってしまったのは残念。2012/01/09
ぷにすけ
7
殺し屋のお話しですが、作者のこれまでの作品に出てこないようなシビアな感覚の持ち主。悪徳探偵室井を始めとした、個性豊かなウラ家業の者たちの方が生き生きと見えましたが、最後にきっちりと話をしめてくれたのはさすが主人公というべきか。この登場人物たちの続編も読みたかった!2019/04/26
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