冬のスフィンクス

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冬のスフィンクス

  • 著者名:飛鳥部勝則
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 光文社(2015/10発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334738181

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内容説明

楯経介(たてけいすけ)には不思議な能力があった。眠りに就(つ)く前に絵を見ると、夢でその世界に入り込めるのだ。彫刻家、洲ノ木正吾(すのきしょうご)の作品世界に彷徨(さまよ)いこんだ楯を待っていたのは、奇怪な連続殺人事件だった! 猟銃で頭を撃たれた高名な画家、「開かずの間」に転がる首無し死体……。すべては夢なのか、それとも夢のような現実? 読者を迷宮世界に誘(いざな)う幻想ミステリーの傑作!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

240
飛鳥部文学としては満点に近いが、ミステリとしては残念な点も多いという感じ。『砂漠の薔薇』との共通項は、実際には無いに等しい。最後の真相(といっていいのか)よりも途中の仮説の方が面白くなっているタイプの作品であり、どうしても肩透かし感が残る。どうせなら楯と京子の問答のような会話シーンの比重をもっと増やして煙に巻ききって欲しかった。思いの外、会話があっさりしているせいで、スフィンクスの比喩も若干浮いているように感じてしまう。色調の綺麗な作品なので割と好きな部類に入るが、マニアックな事は間違いない。2016/12/09

森オサム

63
眠る前に絵を見ると、夢でその世界へ入る事が出来る主人公。その世界で起きる連続殺人事件を解決しようとするのですが、読み進めて行くうちに夢の世界と現実世界の境界線があやふやになって来ます。今はどちらの世界に居るのか?一応主人公は常に把握しているはずなのですが、不思議な出来事が両方の世界で起きてしまい、自信を失ってしまう。幻想的で不思議な作品でした。事件の解決は論理的では有りますが、まあ夢の中なんでねぇ。緊張感にはかけますが面白く読めました。ロマンティックな所も有り、失礼な言い方ですが、思ったより良かったです。2018/04/29

yumiDON

46
夢の世界で起こる殺人、名探偵(にされた)楯は解決するまで終わらない、文字通りの悪夢に囚われる。夢の世界と現実が入り乱れ、読者までも混乱を催すメタ的な物語。妖しげな美人姉妹といい、次々に起こる殺人といい、こんなよく分からない世界なのに、しっかりミステリーでした。自分としては本格だと思うが、真面目な本格ファンからすると、舌打ちものなのかもしれない。幻想ミステリー、という帯が一番しっくりくるかな。面白かったです。2016/03/17

koma-inu

38
夢で絵画の世界に入れる能力を持つ主人公が、夢の中の首無し殺人の謎解きをする。夢の世界では探偵、密室、作者=犯人、読者への挑戦状などに言及、「本来は不在の犯人を、探偵が存在させた」というメタ発言が楽しいです。犯人特定のロジックは見事、思わず読み返しました。ラストの夢の世界に別れを告げるシーンのほろ苦さは、作者らしい締めくくり。飛鳥部さんの作品はぶっ飛んだトリック+ラストのほろ苦さが特徴ですが、本書もそこが楽しめた、秀作です。2022/01/03

ミーホ

29
読み終わって、姉妹作とある「砂漠の薔薇」を再読。また戻ってこちらを再読するというストーカー読みw 2作の微妙にリンクしてる部分を大いに堪能。でもどっちが楯でどっちが槍か忘れた(笑) 夢と現実の狭間を渡り歩くへっぽこ探偵。眠ると絵画の世界に入り込めるなんて羨ましい!私ならヒグチユウコさんのギュスターヴくんに会いに行きたい。独自の変な設定やマイルールとか、自分の脳ミソながら夢って面白い。でもさすがに殺人事件はやだなぁ。団城家の奇人変人っぷりと、看板屋の主人公という地味っぷりの対比がお気に入りポイント(^ω^)2018/08/07

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