集英社コバルト文庫<br> 嘘つきたちの輪舞

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集英社コバルト文庫
嘘つきたちの輪舞

  • ISBN:9784086018692

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内容説明

憂鬱な毎日を送るアンナのもとに、10年ぶりの手紙が届いた。差出人は、アンナの腹心の侍女だったリリヤ。「今こそ、あの事件の真相についてお話しできるのではないかと思い、筆をとりました」――10年前、名家の子息・キリルに見初められ、誰もが羨む結婚を間近に控えながら、キリルの弟との密会を重ねていたアンナ。その先に起きた、不可解な事件…。リリヤの手紙が明かす、衝撃の真相とは…!? 雑誌掲載時に大反響を呼んだ2作品を加えた全3編を収録!

目次

妖精の庭
夏の夜の夢~八月の幽霊~
嘘つきたちの輪舞
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐっち

39
切なすぎる~!どの作品も仕掛けもイラストレーターさんも異なる恋の短編集。一話目は初恋の君とファンタジー、二話目は幽霊に出会うSF、三話目はもうすぐ結婚する二人のミステリー仕立て。どのネタも、もっとふわっと幸せに着地する道もあっただろうに、切ないほうへ切ないほうへと振りきってた。コバルトって10代のヒロインがなんだかんだハピエンに決まってるでしょとか、こないだ読んだ「最後の王妃」と言い、コバルトなめてました!でもやっぱハピエンがいいなあ~。2015/11/07

幸音

22
全てイラストレーターが異なる短編集。「妖精の庭」薔薇園で名も知らない少女と愛を誓い合ったオレグ。公爵の願いと夫人の願いに涙腺緩んだ。「夏の夜の夢」8月のたった1日にアリシアの前に現れる幽霊と、幽霊に似ているクラーク卿。アリシアとおばあさまとの和解が良かった。「嘘つきたちの輪舞」美貌の青年キリルから一目惚れされ婚約した令嬢アンナ、腹心の侍女リリヤ、婚約者の弟エドゥアルド。2人の秘密の逢瀬は一緒にいるだけでドキドキしながら読んでいたけれど、事件含め、毒や事件発生後の猜疑心など散りばめられた要素がミステリ。2015/08/02

shizuca

20
二話目が一番好きです。読み終わってから背筋がゾクッとする話がすきなので。SFは作者さん個人が設定する制約が楽しいですね。同じ日にはいけない設定がいいなぁ。アリシアとお婆人ばあさまの場面ではうるっとしました。基本的には子どもの幸せを願うものだよ母は。母が思う幸せと子の思う幸せは同じとは限らないけど。三つの話は、その人が知らないところで人は誰かと関わって知らぬ間に当事者になって誰かに影響を及ぼしていることがヒシヒシと感じられ、特にラストの輪舞は救いがなくて、けど早く真相が知りたくて文字を追うのが大変でした2015/08/24

14
いわゆる「少女小説」というものは、どれもしあわせで甘い恋を描くものだとばかり思っていた。そのイメージをぶち壊すような短編集。最初の2編も物悲しいが、特に表題作の物悲しさつらさは格別。2015/10/14

りず

13
「妖精の庭」のみ雑誌にて既読。雑誌掲載時から好きだったので、文庫収録嬉しい。「真夏の夜の夢」は切ないけど、あたたかさもあるお話でよかった。そして表題作「嘘つきたちの輪舞」は本当にやるせなくて辛かった。皆が幸せになる道も存在したはず。だからこそ、この結末が一層悲しい。2015/08/24

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