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内容説明
著者は、東日本大震災直後の被災者救援活動や福島第一原発事故後の対応で、海上自衛隊の指揮官を全うした。「船長」として、部下をまとめ確たる実績を残している。そんな著者が組織のリーダーの在り方、強い組織の作り方について、シンプルにそして力強く、考察する。「組織への忠誠心」「有事に信用できる人間の見極め方」「言葉の重要性」「指揮統率の奥深さ」・・・。これからの時代に求められる、真のリーダーとは。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
15
著者は、高嶋博視(たかしま・ひろみ)元海自横須賀地方総監・元海将(戦前の階級だと海軍中将)。3.11のとき、自衛隊の総合指揮を取った人。自らの能力の無さを自覚しつつ、軍人、指揮官として、どうあるべきかを常に考えた36年間の自衛官生活から学んだあれこれの雑記(と説教w)、かな。左の人から叩かれるネタはてんこ盛り。でも、日本の国家を守ろうとして邁進し苛酷な作戦には従事した武人がいたことは、この国の未来にとって明るい材料だよね。某空幕僚長の醜態で自衛隊はあんなのばかりと思われちゃかなわんもの。(笑)2016/05/26
おせきはん
11
海上自衛隊元横須賀地方総監の著者が、人の上に立ち、人そして国を守るに当たっての心構えを綴っています。海上自衛隊固有のことだけでなく、他の組織に当てはまることも多く書かれていました。退職したいと言った部下とのやりとりから「人間には、他人に話したくない、触れてほしくない領域がある」「いかに自分が誠意をもって接しているつもりでも、ときにはそれが理解されないことがある」とわかったと書かれていた箇所には、大いに共感しました。2015/12/08
むた
10
重みが違う。自衛隊の幹部であった著者が海上自衛隊は海軍であり自分は軍人だと言い切っている。自衛隊は軍隊か否かの議論は置いといて、やはり中にいる人の仕事は当然有事に備えることであってそれを軍隊と呼ばずして他に言いようがない。有事に備えるのであるから一般の企業などとは全く考え方が異なるかといえばそんなことはない。組織を率いる、また人を活かすという点ではむしろお手本とするべき部分がたくさん。想像以上に得るものが多い読書体験となりました。2018/08/12
鬼山とんぼ
8
強烈。指揮官とはリーダーシップという意味だろう。企業と政治、軍隊、スポーツにおいてそれぞれ置かれた責務や報酬などの事情が違うから、いっしょくたにするのは乱暴だ。しかし体を張って頑張る現場担当者の上に立つものには、共通する、規範、哲学、美学といったものはあるはずだ。それがないなら下の者は頑張る目的が見えず、真面目に従う気が起きないだろう。数多くそういう本が出されてきたが、この本の価値は、指揮官は尊敬、厚遇されてしかるべきという、現実的で当然のことをあえて言葉にしていることである。指揮官という重責は辛いのだ。2024/06/15
モモのすけ
8
メモ:(愛国心とは少し違う)自分に与えられた任務を確実に遂行するという「使命感」だと思う。2015/10/21