内容説明
海軍反省会の第21回から第30回までを収録。この巻では、ドイツ大使館付海軍武官であった小島秀雄氏による、戦時中のナチス・ドイツと日本海軍の関係と交流模様。黛治夫氏、矢牧章氏による、アメリカでのスパイを使った日本海軍の諜報活動などについての証言。真珠湾攻撃にいたる、山本五十六大将の戦艦無用論の真意の考察。中公新書から発刊され当時話題となった、池田清『海軍と日本』に対する、大井篤氏の熱い反駁など、多くの興味ある発言が見られる。現場を知るものにしか語りえない、緊迫感溢れる言葉を満載した一冊である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽん
4
歴史の事実を一方向だけで語る事の危うさはあると思うが、言い切っている訳ではないけども、「戦争、War、をしているのではなくて、Battle、オンリーだ」の様な事が書いてあって、戦争というものの政治力の大切さがないがしろにされ過ぎていたのも敗戦の理由の1つなんだろう、と思えた。それにしても、この反省会の中で戦争に反対だった事、陸軍の行動について、いろいろ語られてはいるが、もっと立場の違う方々との会談を聞いてみたいとも思った。2012/07/17
junkoda
2
『海軍と日本』に刺激されてでてきた議論が面白かった。2018/03/05
ごいんきょ
2
初めて知る裏話が満載でした。2013/05/25
べる鈴
2
創設から僅か70年で世界第3位の海軍を築き、そして何故4年余りで滅び去ったのか…最前線から大本営まで、それぞれの立場で戦った将校達の反省録。 【証言録】とタイトルにあるように出版を意識した内容では無いので明確な結論は出ていませんが、実際に太平洋戦争を戦った将官から尉官クラスまでの生々しい発言が収録されており、読み手が結論を出す本だと思います。 現在の組織にも当て嵌まる点も多々あると思いますので、非常に読み応えがある大作ですが、お時間がある人は是非お読みください。2012/09/17