内容説明
歴史をみるうえで、なぜその事実が選択されたのか、何が大切で、どういう点が問題になるのか等に意を注ぎ、中国文明の誕生から現代までの歴史を綿密に辿る。江南の河姆渡(かぼと)遺跡や四川の三星堆(さんせいたい)遺跡など近年の新しい発掘と研究の著しい成果を踏まえ、民衆の歴史や思想・文化にも注意を払い、総合的観点から中国史の全体像を描き出した意欲作。(講談社学術文庫)
目次
はしがき
一 中国文明の誕生
二 中華民族と中華思想の形成
三 古代国家の形態──二つの古代国家論
四 新出土文献よりみた古代官僚制の発達
五 国家と儒教──漢帝国の政治と思想
六 秦漢と匈奴──古代帝国の対異民族政策
七 魏晋南北朝と諸民族国家の発展
八 門閥貴族社会の変遷──漢から唐へ
九 隋唐世界帝国と国際交流
一〇 唐・宋間の変革と宋代の社会
一一 中国史上の「征服王朝」
一二 明・清間の社会発展と新儒教
一三 東アジアの「大航海時代」──庶民の交易活動と国家の関与
一四 中国史発展の大勢をどうみるか──時代区分問題と現在からの視点
参考文献
年 表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
24
中国を王朝史や人物史ではなく通史で読んだことは数回しかないため新鮮でした。大きな論点から事象を解いており、教科書を読んでいるみたいな感じもまた良かったです。2024/08/19
Tomoichi
21
リモートワーク前から読み始めやっと読了。いわゆる王朝史ではなく、支那社会の面からの通史。結構面白くリモートでなければもっと早く読み終わっていた。いや、すっかり読書量が減ってしまった。。。本書はお薦めなので是非。2020/06/20
壱萬参仟縁
9
高校世界史Bを中国だけ1年間やるとこんなテキストになりそうな感じ。いや、もっとレベルは高い。河姆渡(かぼと)文化、良渚文化といった南方の紀元前文化なども詳解が。「国家の基礎にある民衆の集落」の節(66頁~)。春秋中頃、民衆が農村から都市内部に移住して民衆も政治的に重要になってきたという。相互扶助組織で「鄰」というらしい(69頁)。「村は魏晋南北朝時代に、漢代の里が崩壊した後にできた」(187-8頁)。宋代で社とは民衆組合で施設運営を図った(231頁)。民衆蜂起は民変(明末 292頁)。内発的発展にも言及。2013/03/03
ナリツカ
2
中国の思想史および政治・経済史を著者なりの観点から概説している。いわゆる中華思想は頻出キーワードで、成立の背景や各治世における支配層の受容の在り方に高校世界史で習った単純な定義以上の深みがあって面白い。「中国の歴史は専制君主制を基礎として停滞しており発展を伴わない」という西洋中心史観(初版2000年なので現代ではとっくに廃れているかもしれない)は基本的に否定しつつも、多方面からの視点を偏りなく紹介する筆者のバランス感覚に好感を持った。詳述されているのは清朝までで、辛亥革命以後が殆ど扱われていない点が残念。2024/12/15
kyabaria
1
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