内容説明
檀君神話、広開土王陵碑、任那日本府、白村江の戦いと唐との戦争――。中国・日本との軋轢と協調を背景に統一への歩を進めた古代の朝鮮。旧石器時代から統一新羅の滅亡までの朝鮮半島の政治・社会・文化とはどのようなものだったのか。『三国史記』『三国遺事』をはじめとする文献類の精査によって、その実像を鮮やかに復元した古代朝鮮史研究の傑作。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
13
古代朝鮮については、日本視点でしか捉えたことがなかったため、とてもタメになった。高句麗、百済、新羅の建国神話から政治制度、隋唐や倭との関係など詳細に書かれている。どの国も、中国への朝貢、仏教や律令制の導入、クーデターによる中央集権化など倭と同じ歴史を辿っていて、東アジア古代史への理解が深まった。2019/06/07
BIN
7
新羅滅亡までの朝鮮について、中国と朝鮮の資料から研究された本。遺跡の写真もあり、失礼ながら朝鮮半島でも遺跡残ってるんだなあと思った次第。日本のことも触れられており、「日本」という国名を使ったのは西暦670年だったとのこと。40年近く前の本なので、日本古代史の研究で記紀だけに偏って頼るのではなく、朝鮮等の資料も活用せよと提言されているが、さすがに今はそちらも含めて研究されてるでしょう。2022/07/19
富士さん
2
再読。教科書的な古代朝鮮史とは一味違って、先史から新羅末までの朝鮮半島を軸にした東アジア史と言った趣。愛着のある一冊です。「倭」という言葉は日本列島に対してだけではなく、朝鮮半島南部も含めた言葉であり、ここにあったという日本府というのは後に日本列島の「倭」が「日本」と呼ばれるようになってから遡って呼ばれるようになっただけであり、日本の支配とは関係ないという話は新鮮で衝撃を覚えた記憶があります。ただ、これを江上波夫さんの説と一緒に考えると、解釈は違っても事実認識に違いはなく、すんなり理解できたりするのです。2016/05/26
Tmont
2
朝鮮史は概して面白くない。とくに李朝時代は退屈だ。しかし古代史、三国時代から高麗の統一まではダイナミズムがあり面白い。これはおそらく「朝鮮人」の物語ではなからだ。北方の半猟半農民である高句麗人、農耕民の百済人と新羅人、そして南の蛮族倭人が織りなす物語だから楽しい。この本で目から鱗だったのは「倭」がなにを指すか、である。考えてみれば「日本」という名称ですらアイヌ人に日本族というのがいるし、一義的なものではない。また著者は理性的だが、現代的価値観「国際社会」「民族」という概念から脱せていないのが残念だ。2013/04/23
ソルト佐藤
2
侵略されると政権側の人間はすぐに降参するが、地元の人間は徹底抗戦する。どうも古代から伝統だったようだ2008/10/25
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