どんぐり姉妹

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どんぐり姉妹

  • 著者名:よしもとばなな【著】
  • 価格 ¥575(本体¥523)
  • 幻冬舎(2015/10発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101359427

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内容説明

活動的な姉・どん子と、引きこもりの妹・ぐり子は、両親を失い、都会の片隅で助け合って生きている。二人は、「だれかにメールしたいけれど、知っている人にはしたくないというときにちょうどいい存在」というゆるい理念を掲げ、無料の相談サイト「どんぐり姉妹」を立ち上げた。そこで交わされる他愛のない会話は、情報の渦の中で疲れた人々の心を優しく包み込んでくれる。そんな中、ぐり子は初恋の人、麦君の夢を何度も見るようになりーー。混沌としたこの世界を生きるための示唆に富んだ小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

masa@レビューお休み中

91
毎回、よしもとばなながつける名前には驚かされる。今回の主人公の名前は、どん子とぐり子。姉がどん子、妹がぐり子という名前なのだ。もはや、絵本の世界の登場人物といっていいくらい浮き世から離れているように思えてしまう。だからなのか、両親が事故で早くに亡くなっていることも、二人がどんぐり姉妹と名乗ってネット上でお悩み相談をしていることも、違和感なく受けとることができるのかもしれない。一日一往復だけのメールのやりとりが、不思議と温かさを感じる。デジタルな文字の交換が、アナログな手紙のような温かみをもっているのだ。2013/09/07

hitomi.s

45
読んでからこの感想迄、結構かかった。私はこの年末に、古い古い古い友人に会いにいく。この本も絵本みたいだし、こんな自分の今も絵本みたいだ。何かに書かれた筋書きみたい。でもいいよ、楽しいもの、ね?生きることと死。歩いてるから、会えるんだな。こんなことがきっかけで会うなんて、皮肉だけれど、絵本みたいに優しいといいな。2018/11/17

sat

40
幼い時に両親を亡くし辛く苦しい生活をおって、その事から解放され人のために仕事するべきだと思い、相談サイトを開く。湖の底にゆっくりと沈むように心に響いた。そして、ばななさん自身の話を書いているあとがきがまた心に沁みた。2017/02/27

エンリケ

40
最初は能天気姉妹の日常を描いて行くのかと思った。しかしこの姉妹、悲惨な生い立ちのせいでどこか壊れている。姉は恋愛中毒。妹は引きこもり。ひょんな事からネットで人生相談を始め、それが二人を変えて行く。特に妹はその内容に触発され、様々な夢を見るように。そこから悟る無意識下の人の繋がり。まるでユングの論理を具現化したような彼女の考えは、意識を外に向ける契機となる。読んでいるうちに著しくこの姉妹に感情移入してしまう。危なっかしい言動にハラハラ。でも終盤、姉妹の強い絆に少しく安堵。二人はきっと変わっていける。2016/12/01

ちゃちゃ

36
ばななさんの作品を読み解く鍵の一つは「夢」ではないだろうか。抑圧された無意識。そこで出会った人達が、現実生活に何らかの示唆を与え導く。本作品は、両親を事故で突然失ったどんぐり姉妹の再生の物語だ。両親の亡き後、親戚に次々と引き取られ、子ども時代を十分生きることができなかった二人。妹のぐり子は、中学時代の初恋の人である麦くんの死も夢で予感する。そして再び麦くんが夢に現れたとき、ぐり子は自らの思いを言葉にする。夢と現(うつつ)が混じり合った世界。ばななさんが編み出すこの不思議で温かい世界が私は好きだったりする。2016/04/29

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