内容説明
現代人は日々、漠然とした不安を抱えながら生きている。人間には「こうしたい」「ああなりたい」という欲があり、普通に生きているかぎりこの不安がなくなることはない。多くの人がそこから逃れようと出口のないところで努力をしているが、こころ安らかに生きたいと願うのなら、世の中とはこういうものだと現実を受け入れるしかない。不安だからといって、その場かぎりの解決策で取り繕い、ごまかすだけではいけない。不安を不安として受け入れて、じっと辛抱する。たとえ困っても絶望するのでなく、まわりを見渡せば支えになってくれる人が必ず現れる――。本書は、浄土真宗本願寺派・西本願寺の大谷光真前門主が、こうした仏教の教え、親鸞聖人の教えを手掛かりに、現代社会に山積する問題にどう対応していくか、どのような考え方で生きていけばよいのかを誰もがわかりやすい平易なことばで説いており、悩み多き現代人が生き方の指針をみつけられる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トクン…
9
▶︎自分探しはしなくていい。自分とは何かに取り組み成長し人生を充実させていく過程そのもの。焦って今を否定したり、今以外のどこかに自分を探して迷うより今としっかり向き合うことが大切。自分というものは流動的。固定的に捉えない方が良い。▶︎人は進歩することを目指している。収入や功績といった外から見える進歩と内面の心の進歩がある。心の進歩とは、他の人と比べてより良い人間になるということでなく、自分がいかに至らなくて自己中心的なのか気づくこと。実るほど頭を垂れる稲穂かなと詠むように、他人に対して自然と謙虚になる。2021/08/27
セーラ
1
人生は平らな道ばかりではない。でこぼこ道があって当たり前。そして、周りの人が自分の思い通りに動いてくれないのも当たり前。自分自身でさえ全て自分の思い通りになるわけではないのだから。そんな「当たり前」のことが理解できた時に、これまで生きてきた(生かされていた)こと、支えてくれた人や物たちに対して心の底からの感謝の念が湧いてきました。2016/01/03
いのちゃん
0
いろんな人がいて、いつも心穏やかでいられるわけじゃないけれど、みんな感情を持った人間なんだなぁと思えば、少しは心に差した暗い影を白に近付けられる。少なくとも、グレーぐらいにはできる。そして、自分は何をするべきか考えられるし、何を言えばいいのか何も言わなくていいのか?考えることができる!それが自分の人生を大切にすることに繋がると思う(๑´ڡ`๑)2018/02/06