内容説明
戦後の大部分の時期において「政権与党」となり、日本を“支配?”してきた自民党。いまこの時も、この党に所属する政治家たちが様々な物議をかもしつづけている。だが冷静に考えてみれば、自民党は実に「不思議な党」であり、「おかしな党」である。何でこんな党なのか。誰がどうやって動かしているのか。物事はどんな原理で決まっているのか。そもそも、この党の存在意義はどこにあるのか……。本書は、戦前の政党史、戦後の混迷期、保守合同、「三角大福」の争い、闇将軍、竹下支配、失われた10年、小泉純一郎の改革、そして安倍内閣へと至る、前史から現在までの大河のような自民党の歴史を詳述し、「自民党の謎と秘密」をすべて白日の下に晒す意欲作である。党人、官僚、変人、権力の鬼など、超個性的な人たちが織りなしてきた不思議な政党史を、抱腹絶倒のエピソードをふんだんに交えつつ、大放談! 大笑いし、膝を打ちつつ読み進めるうちに、この党の「行く末」までが手に取るようにわかるようになること、うけあいである。すべての日本人必読の一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やす
9
このろくでもない素晴らしき政党―自民党―(缶コーヒーのCMではありません。)倉山節で振り返る自民党史。登場人物があまりにも多く400ページもあるので読むのがちょっと大変だったのはここだけの話。党是からかけ離れて社会党とプロレスやって何回も国民から見放されてるはずなのに結局政権担当能力があるのがこの素晴らしきろくでもない政党であるという事実が日本の悲劇だなぁと改めて感じた。2016/08/07
軍縮地球市民shinshin
8
自民党の派閥抗争史の通史。ただ、自由民権運動の政党、昭和初期の二大政党制のこともふれている。自民党は1955年に自由党と日本民主党が合同して誕生した政党だが、最初の時点で犬猿の仲の2政党をくっつけたわけであり、派閥間の抗争はそこから始まっている。「三角大福中」とか「四十日抗争」とか「加藤の乱」などの派閥抗争は、まるで首相の座を狙う政党間の抗争のようである。そして、小泉純一郎が自民党の構造を叩き壊したことは事実であるが、ポスト小泉の自民党の慣習ができておらず、政治が流動化しているというのが現在だろう。2015/10/13
今日のホームラン
7
自民党の政局を理解するうえで知らないことばかりで勉強になりました。あらためて著者の博識と本質を見抜く分析力に脱帽です。おもしろおかしく、ユニークな語り口も楽しかったです。戦後、保守VS革新という変な構図が出来てしまったことが日本をどんどんダメな方向に進ませてしまったように感じます。正直かなりのボリュームで佐藤内閣辺りから読むに耐えない政局争いばかりでウンザリしてしまいました。それでも日本では自民党しかマシな政党がないって不幸でしかありません。正直、個人的には一部の政治家を除いて絶望していますが・・・2019/02/24
チョビ
5
途中で返却。戦前少しと戦後の自民党史が延々と。その時代に生きてないからグーグル先生ひき回しながら読みましたが、もうキツい。その頃の政治を知っている方なら、思い出しながら「あー。こんな人いた!」と言えるのでしょうけどね。著者がなぜ自民党マニアなのか、とりあえず前書きだけでも。意外な人が登場して、面白い!文章自体は柔らかいので、本当に知りたい方にはお勧めしたい!2016/01/19
みじんこ
4
著者の語り口のおかげで読み物として面白かった。日本の政党政治の始まりから安倍内閣の途中まで、自民党内での抗争の歴史がよく分かった。「経済成長は実は安全保障政策」、かつての選挙制度から派閥として参議院を抑える重要性、三木武夫の立ち回りのうまさ(最後は除く)、郵政解散の先例をイギリス憲法危機に求める等は勉強になった。田中闇将軍より竹下のやり方のほうが恐ろしいと感じた。全体的に見て小泉には高評価な印象。現在では派閥は形式上ほぼなくなっていても、結局その力学、権力争いはまだかつてと同様働いているのだとも思える。2024/10/13
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