内容説明
「汽水域」とは、森と海が出会う場所であり、淡水と海水が交じり合う魚介の宝庫のこと。宮城県気仙沼で牡蠣の養殖業を営みながら、「森は海の恋人」をスローガンに、植樹運動を続ける著者が、全国の「汽水域」を訪ね、豊かな恵みを支える人々との出会いなどを綴った味わい深いエッセイ。第52回日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yyrn
6
仕事の関係で二十代を気仙沼と石巻で過ごしたが、そこにそんな豊かな海が広がっているとは思いもしなかった。海はきれない景色にすぎなかった。当時この本に書かれていることを知っていたら、また違った生活を送っていたかもしれない。実にもったいないことをしたものだが、でも二十代は遊ぶことしか頭になかったから、まあ馬の耳に念仏だったかも。その点では「森は海の恋人」の話が小学校の教科書に載ったことは誠にめでたいが、川を堰き止めてダム造ったり、海を埋め立てて港を造る仕事も、同時に評価してあげる必要はあると思う。両方が大事さ。2015/12/22
Koji
3
人の縁を大切にしているのが好感。2016/04/20
ZACC2
0
牡蠣、焼き魚、うに、めかぶ。。 汽水って天国2015/10/27
パトリック
0
汽水とは川の水と海の水の混ざりあった状態。戦後の日本は海に栄養をもたらす木を切って杉を植え、しかもその杉林は手入れを欠いて山は荒れ(花粉症は増え)、ダムや護岸工事で山の栄養が海にもたらされなくなった。気仙沼でカキの養殖業を営み植樹活動を続ける著者が各地の汽水域を巡った紀行文。それでもダムを造り埋め立てを続ける政府は何を考えているのだろう。2019/12/25