岩波ジュニア新書<br> うま味って何だろう

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岩波ジュニア新書
うま味って何だろう

  • 著者名:栗原堅三
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 岩波書店(2015/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005007042

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内容説明

甘・苦・酸・塩につづく五番目の味がうま味だ.こんぶのグルタミン酸,かつおぶしのイノシン酸,しいたけのグアニル酸はどれも日本人が発見した.赤ちゃんが母乳を好きなわけも,完熟トマトがおいしいわけも,合わせだしがおいしいわけも,うま味のはたらきなのだ.ほかには,どんな食べ物に多く含まれているのだろうか?

目次

目  次
   はじめに

 1 おいしさの要素
   味の役割/香りの役割/舌ざわりと温度の役割/視覚の役割/食物情報の脳内の流れ/食べものの記憶/おいしい食材と料理
 2 味を決めているものは?
   決めてはアミノ酸/トマトの味を決める成分/海産物の味を決めている成分/アミノ酸の味をひきだすものは?/食塩摂取と高血圧/うま味に減塩効果あり/サケはアミノ酸をかぎ分ける
 3 うま味成分の発見
   池田菊苗/コンブと京都/うま味成分の分離/うま味の提唱/カツオブシのうま味成分/シイタケのうま味成分/相乗作用の発見/相乗作用を利用した料理
 4 うま味の豊富な食品
   うま味物質は多くの食材に含まれる/だし・スープ/発酵食品いろいろ/魚醤・穀醤/固形調味料/チーズとハム/その他の発酵食品/うま味物質の安定性/カツオブシのうま味/魚をしめたあとのうま味の増加/干しシイタケのうま味
 5 味は栄養物と有害物質を見分けるシグナル
   母乳のグルタミン酸/栄養物と有害物質の見分け/脂肪は何のシグナル?
 6 うま味が世界で認められた
   風味増強剤とみなされていた/電気生理学的研究/うま味研究会と国際シンポジウム/第二回国際シンポジウム/動物による味覚のちがい/うま味が基本味として認められる
 7 うま味受容体
   脳のグルタミン酸受容体と似たものを探す/刺激物質を感知する共通のしくみ/味覚受容体の発見/うま味受容体の発見
 8 MSGは安全か?
   グルタミン酸は小腸で使われる/必須アミノ酸と非必須アミノ酸/消化管に存在する味覚受容体/欧米のマスコミでとりあげられる/中華料理店症候群/マウスにMSGを注射した/MSGバッシングの後遺症/グルタミン酸の製造法
 9 世界に広がるうま味と日本食
   海外に日本食レストランがふえる/海外における啓発活動/日本食の栄養バランス/日本食の特徴はうま味
   あとがき
   参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

めんま

17
うま味がどのような経緯で発見され、基本味として認定されたのか、どのような化学的構造を持つかなどを分かりやすくまとめている本。うま味成分の発見は20世紀前半にはなされていたが、基本味として認定されるのは20世紀末から2000年初頭と知り、その不遇な100年近い期間に尽力した研究者たちに脱帽。2021/06/07

pollack

8
基本的に平易に書かれていますので、読みやすいです。基本味は5つの味で、うま味はその1つであり、日本ではお馴染みですが、欧米で容認されるようになったのは1990年代後半とつい最近だったのには驚きです。どうりで最近は欧州の一流シェフが「うま味に関心がある」とか言い始めたり醤油を取り入れたり、うま味の塊である鹿節が作られて注目されたりするわけです。うま味が受け入れられるようになったのは他の味と違う科学的根拠が示されたからによるわけですが、うま味が容認されるまでの貴重なエピソードが味覚の研究者から語られます。2016/01/29

たらこりっぷ

5
タイトルの通り、うま味とは何であるのか改めて知ることができる格好の一冊です。かつおだしやこんぶだし、しいたけだしがなぜおいしいのか、研究し続けた先人たちに頭が下がります。誰に自慢するわけではありませんが、「日本人って、日本人の舌って相当すごいじゃないか」と実感できます。食に対する飽くなき探究心ですね。2012/02/04

phmchb

4
( ..)φメモメモ『味と香りの話』(岩波新書)栗原堅三(1998)/『グルタミン酸の科学』栗原堅三・小野武年・渡辺明治・林 祐造、講談社サイエンティフィック(2000)/『美味の構造』(講談社選書メチエ)山本隆(2001)2020/03/20

五月雨ザバレタ

3
うま味って海外でも通用する言葉らしい。つまり日本発祥ということ。日本人はうまい!ってご飯食べた時に言うから、うま味って聞いてすんなり納得するけど、海外ではそうはいかなかったらしい。日本の昆布とか鰹節とかそう言うものはうま味の宝庫で、昆布だしと鰹出汁は科学的にも相性が抜群。昆布もやはり有名な日高昆布とか利尻昆布とかは、成分を見ても優秀らしい。科学的にどの昆布がうま味が強いかは結論が出ているけど、それはあえて書かないらしい。知りたいような知りたくないような。2018/09/02

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