内容説明
2015年春、2019年日本ラグビーワールドカップの開催地が発表。釜石はその決定地の筆頭として全世界に発信された。スタジアムの建設地は、中学生・小学生が全員助かり「釜石の奇跡」とも言われた釜石の沿岸・鵜住居である。同時に鵜住居は多くの尊い人命も失われた。震災の現実、復興の困難とラグビーワールドカップ実現への道を現場から描く。日本ラグビー協会理事・平尾誠二氏、人気ミステリー作家・堂場瞬一氏推薦。
目次
序 章 釜石の夢
第一章 スクラム釜石
第二章 戦いの季節
第三章 瓦礫からの夢
第四章 鵜住居
第五章 富来旗
第六章 二〇一九年、その先へ
終 章 東北
謝辞──あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
241
テレビで紹介されたので読んでみた。当時平尾監督など関係者が多くの尽力をしてワールドカップ招致に成功する姿に感動した。2018/06/30
ばんだねいっぺい
31
つい、この間、「フィジーVSウルグアイ」を観てきたので感慨深く読んだ。そうか、負傷者救出などに、選手が助力していたんだな。現地では、釜石の熱気には確実に人々の思いがあることを肌で感じて帰ってきた。願わくば、もう少し、県全体で応援できたらなと県民として思った。2019/09/29
su
9
★★★★★釜石ラグビーの底力を感じました。現在、ワールドカップで盛り上がっているラグビーですが、釜石とラグビーの関わりについてよくわかりました。我がふるさとでは昔のこととされていても、外からみると聖地であることは多いのかもしれません。ワールドカップ誘致に関しては、市民と行政の役割分担もバッチリ。追記。先日、釜石に行きました。復興の基盤となるだろう土木工事が進んでいました。その中にスタジアム予定地もありました。ラグビーのまち釜石。応援しています。2015/10/02
anken99
8
震災で多大なる被害を受けた、ラグビーの町、釜石を巡る物語。2020東京五輪はさておき、その1年前に、2019ラグビーワールドカップが釜石にやってくる。この本に出てきた全ての人、そして東北の人たちと同じようにして、何らかの形でこの大会を応援したいと感じた。前を向いて歩くことの大切さを教えてくれる一冊だ。2016/08/24
ceskepivo
8
震災で被害を受けた釜石市のラグビー・ワールドカップ誘致のストーリー。「ラグビーって良いスポーツだ」と思ってしまう。震災による心の傷をラグビー・ワールドカップを誘致することで乗り越えていく。平尾誠二氏は「(誘致の効果は経済効果よりも)人間の心に宿る効果、地域にもたらす勇気の効果の方がはるかに大きい」と言う。「苦境にあっても、天を恨まず、運命に耐え、助け合って生きていくことが、これからの私たちの使命です」という答辞を読んだ梶原君はラガーマンだったというのも感じ入った。2015/08/15