ハヤカワ文庫NF<br> 色のない島へ──脳神経科医のミクロネシア探訪記

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ハヤカワ文庫NF
色のない島へ──脳神経科医のミクロネシア探訪記

  • ISBN:9784150504267

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内容説明

先天的に色彩感覚をもたずモノトーンの視覚世界で暮らす人々がいるピンゲラップ島とポーンペイ島。原因不明の神経病が多発するグアム島とロタ島――脳神経科医のサックス博士はミクロネシアの閉ざされた島々に残る風土病の調査に訪れる。島の歴史や生活習慣を探るうちに難病の原因に関わる思いがけない仮説が浮かび上がるのだが……。美しく豊かな自然とそこで暮らす人々の生命力を力強く描く感動の探訪記。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Tαkαo Sαito

71
太平洋諸島に見られる全色盲や神経系の病気をひも解く話で、表紙を見て買いました。すごく難しい本でした。著者が脳神経科医なので医学的なアプローチで植物や地学的な言葉も多かったです。でも読んでよかったと思える所も多くありました。島の人の一部では生まれつき全色盲なので景色が白黒なんです。私たちは普段からカラーで見ることができ、かわいそうと思うかもしれませんが白黒の方が物事を細かい所まで見ることができ、むしろ私たちの方が退屈な視覚世界に生きているのではないかという部分がグッと来ました。是非読んでほしいと思いました。2015/05/03

Roko

21
身体が思うように動かない患者たちは、ほとんどの人が家族と一緒に暮らしています。そして昼間の間は家の前に置かれた椅子に座って、人が歩く姿を眺めているのです。そして、それを楽しんでいるようなのです。同じような症状の人が都会にいたら、病院にいたり、様々な治療を受けたりはできるけれど、外の世界からは遮断されてしまうことが多いのに、島の人たちは家族と共に暮らし、外に出ることができる。それは人間として、とても幸せなことなのだと感じるのです。2021/02/18

Sakie

21
原題は「色盲の島」。風土病として先天性全色盲や神経性の奇病が多発するミクロネシアの島を訪れる旅行記だ。患者たちとの交流や原因探究も興味深いが、緩やかな始まりからして単なる探求の旅ではない。オリバー・サックス博士の眼差しには慈愛がある。西欧人の物差しや人知を超えた存在への尊敬の念が一貫しているからだ。『地球と自分が仲間であるという感覚』を、島では実感できる。だからサックス博士はあらゆるもの、たくさんの人を愛せる。暮らしは貧しくとも運命を受け入れて豊かに生き豊かに死んでいくことができる島の人を尊重できるのだ。2019/06/06

やいっち

17
「妻を帽子とまちがえた男」以来、オリヴァー・サックスの本のファン。本書が読み逃していた唯一の本。これまでの書とは毛色が違うが、さすがサックス、読ませる。意外に面白かったのは、本書後半のグアム(など)の記録。ソテツの話など最高。2015/06/17

ぐるぐる244

14
全色盲(一般的な色弱、色盲とは異なる弱視、色覚異常をきたす稀な遺伝病)が際立って多い島とパーキンソンに似た最終的には死に至る風土病のある島への2つの旅行記。なんといっても、最初のピンゲラップ島への旅行記が面白い。強風のため米軍の軍事基地拠点である島に上陸せざるをえなくなる顛末、美しい海、南の島の湿度の高い、豊かな植生。そしてスパム!全色盲の人々にまつわる民話はジョン・ヴァーリー「残像」を思い出させる。グアムの風土病の原因はソテツなのか水なのか、ウィルスなのか、この本では解明されていない。2019/01/20

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