内容説明
四国松山で発生した連続幼女誘拐殺人。奔走する警察、報道陣をよそに、犯人は再び刃を振りかざす。顔のない殺人者の内に広がる無限の闇に挑む新聞記者・上沢。なぜ、彼は少女を殺すのか。正体をつかみかけたとき、その兇刃は上沢の身辺にもおよびはじめる――。逃れられない人間の業を浮き彫りにする、戦慄のサイコサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
turipano
1
鳴海章の小説は3,4冊目かな。今回が彼の「写実小説」を一番体感できた。描写の細かさは邪魔に思うギリギリ手前で始終展開されていて残酷な場面はより現実感があった。話のスピードはあまりないかもしれないがじっくり入り込みながら読めた。2014/04/18
秋茄子@ナイス返ししない党党首
1
幼女連続殺人という題材の割には良くも悪くも地味。おどろおどろしいサイコサスペンスを期待すると肩透かしを食らう。殺人犯「鬼灯」を怪物じみた存在ではなくどこにでもいる普通の人間として描こうとしているのは分かるが、それゆえ彼の凶行にリアリティが欠けたように思えた。2011/06/01