内容説明
時は平安。京に上った東国の長者が妻と荒れ果てた邸宅に宿を取った。数日たった夕方、男が縁にいると妻の叫び声が聞こえる。驚いた男が部屋に飛び込むと、暗闇から伸びた太い二本の腕が妻をつかんで奥の間に引きずりこむところだった。妻は鬼につかまっていたのだ……(「鬼に喰われた女」)。表題作ほか今昔物語からインスピレーションをえて人間に巣食う「闇」と「エロス」を大胆に描いた短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポチ
50
短編10話。物足りない。この世にあらざる者達や怪異と人との関わりを、長編でじっくり読む方が好みです。2017/08/07
らすかる
41
平安の京を舞台にした10編の怪異とエロスのものがたり。怪異的にもエロス的にもいささか物足りなさはあるものの雰囲気を楽しむことはできました。ねっとりとした古の闇の濃さと男女の情念。大人向けのむかしばなし。ちょこっとした合間に読めるので良いですね🎵2019/07/17
のぼる
16
今昔物語からインスピレーションを得て作られた「闇とエロス」の短編集。 雰囲気は良いが、あっさりしていて物足りない印象。2017/08/08
いたろう
15
10編の短編。舞台は平安時代だが、テイストは今昔物語というより雨月物語か。中世・怪異・官能という坂東眞砂子らしい雰囲気も長編に比べるとちょっと物足りない印象。2013/07/11
tama
9
図書館閉架本 著者のファンだった 「今昔物語からインスピレーションをえて」書いた創作だそうな。まあ、かなり今っぽい描写も多かったし。原文ならもっとあっけらかんとしてたと思う。でも結構面白かった。これまで読んだ図書館の著者の小説本って書込みやら汚れやら酷くて身震いするのが多かったけど、これはなぜか綺麗。汚してたやつが名前バレて逃げたのかもね。油壷って妖怪?水木さんのとこには出てないなあ。生きてるうちにコラボしてたら面白かったんじゃないかなあ。2022/09/18