集英社文芸単行本<br> マンザナ、わが町

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集英社文芸単行本
マンザナ、わが町

  • 著者名:井上ひさし【著】
  • 価格 ¥811(本体¥738)
  • 集英社(2015/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087740288

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内容説明

真珠湾攻撃から4カ月後。アメリカ合衆国カリフォルニア州オーウェン郡マンザナ。そこに日系人を隔離する強制収容所があった。移民として、そしてアメリカ合衆国市民として、血のにじむような苦労の末に築き上げた財産と名誉を突然、政府によって奪われ、敵国日本の血を引くという差別的理由だけで強制収容された数万の人々――。そんなマンザナ収容所内で情報宣伝のため、職歴をもとに集められ、奇妙なプロパガンダ劇『マンザナ、わが町』を演じるように命じられた5人の日系女性たち――アマチュア劇団の演出家兼ジャーナリスト・ソフィア岡崎、浪曲師・オトメ天津、ステージマジシャン・サチコ斎藤、歌手・リリアン竹内、映画女優・ジョイス立花。彼女たちは数日後の上演に向けて、戸惑いながらも稽古を始めるのだが……。彼女たちの葛藤を通して、民族とは、国家とは、そして人間の尊厳とは何か、が鮮やかに浮かび上がってくる。上質なユーモアにくるんで、井上ひさしが現代に遺した熱いメッセージ。泣けて笑えて、胸を打つ傑作戯曲。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

はる

18
舞台を観て、とてもよくて、本を購入。舞台の詳細がよくわかった。第二次世界大戦中のアメリカ本土での、日本人収容所の話。真珠湾攻撃の後のことで、様々な理不尽や苦労を抱えた女性たちの姿から、深く考えさせられる。2019/01/03

BECHA☆

4
地元劇団が2011年に公演。この設定を忠実に舞台にするのは大変だ。。。2024/07/24

くーぴーめりー

4
真珠湾攻撃直後のアメリカ合衆国カリフォルニア州マンザナに、日系人を隔離する強制収容所がありました。 敵国日本の血を引くという理由だけで強制収容された人々がいたという事実はあまり知られていません。 そのマンザナ収容所内で、収容所の正当性をアピールするためのプロパガンダ劇を演じるように命じられた5人の日系女性たちの姿を描きます。彼女たちの葛藤を通して、人間の尊厳を強く訴えています。 暗いストーリーながら、いたるところにユーモアがあり、泣けて笑えます。さすが、井上ひさしさんならではの人間讃歌です。 2016/01/28

たんぽこ

3
真珠湾攻撃以降の日系アメリカ人の苦難の歴史を題材に井上ひさしが戯曲化。差別への怒り、そして内省。胸に刺さる悲喜劇でした。本戯曲は平成5年に初演。平成30年秋緊急再演。平成30年の秋というと、ちょうど改正入管難民法案が国会で審議されていた頃ですね。なるほどです。改正入管難民法は今年4月に施行。だから今年度の読書感想文コンクール課題にマンザナ強制収容所についての児童書が入っているんですね。極めて時事的な選定だったのだと腑に落ちました。2019/06/09

Takao

1
1993年9月発行。同年7月(3月20日に始まったイラク戦争から3ヶ月ほど後)に初演された戯曲。1942年3月の米カリフォルニア州マンザナ日系人強制収容所を舞台としたお芝居。2年ほど前に読んだ『組曲虐殺』以来、井上ひさしの戯曲に魅せられているが、実際の舞台(こまつ座)は、きょう、初めて観てきた。本書をちょうど半分ほど読んだところでの舞台だったが、93年の初演の頃とはまた違う情勢のもとで演じられていて、所々で「今」を感じさせられた。優れた原作にはそんな、時代を超えたものがあるのだなぁ、と思う。2015/10/18

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