内容説明
5月のクソ暑い日、ど田舎の駅のホームで世界一可愛い女と出会った。次の日、夕方に目覚めると家族が殺されていた。親父、かーちゃん、兄貴、妹、じじぃ。全員だった。そんで、そこには金属バットを持ったあの世界一可愛い女が立っていた。驚くことにそいつは『試験官』っていう世界を滅ぼす化け物から人類を救う選ばれた女って話だった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サイバーパンツ
16
『左巻き式ラストリゾート』は夢幻能の応用によってゼロ年代とキャラクターの霊を葬る話だった。しかし、所詮ゼロ年代との決別の話で、その先──新時代は示されていない。本書は『左巻き式』が至らなかったゼロ年代とキャラクターを脱構築した後の世界、虚無を超えた場所を見つけ出そうとあがいている。本書には風景がないし、それゆえにキャラクターの内面もない。そんな虚無の中で、語り手はポストモダン用語を垂れ流しながら、時代錯誤も甚だしいほどのセカイ系テンプレに踊らされる。2017/02/16
T.Y.
15
芦原幽玄が駅のホームで出会った少女・椎名有希は幽玄の家族を金属バットで皆殺しにする。彼女は世界で唯一、「試験官」と呼ばれる怪物と戦い倒す力を持った少女だった。有希が「なぜ」そんな力を与えられたかはおろか、「いかにして」も、さらには感情も省略、徹底して二人の関係を淡々と描くセカイ系。そして息が短い割に冗長な語りとオチは徹底してメタ。とりあえず自分のことを離れた視点から傍観して綴っているような投げ遣りな空気はよく分かった。ただもういいかな。章タイトルからしてメタな目次で方向性が分かるのが親切さ。2015/10/10
524
14
☆4 【面白くはないけれど】世界を滅ぼす魔物を唯一倒せる女の子と主人公のセカイ系。文章力ははっきりいってゴミ。でも作者がやりたいことはなんとなく伝わってくる。面白くはないけれど。こんなクソな文章だけど読んでいて全く苦痛はなく、最後はちょっと盛り上がりを見せた。面白くはないけれど。ちんちんと同じ系譜だと思って読んでたが、こっちはまだ許せるレベル。面白くはないけれど。「全く面白くはないけれど、つまらないわけでもない謎作」ということにしておこう。【お気に入りキャラ:なし】2015/10/06
nawade
14
★★☆☆☆ 第9回HJ文庫大賞特別賞受賞作。この小説を読むという事は作者が鼻をかんで投げ捨てた鼻紙を広げて眺めるようなものだ。作者自身がゴミであることを自覚した上で書いたゴミ小説なのだ。だらだらとモノローグで綴られる歪で一人称視点の物語。皮肉ではなく直接的な意味での糞ったれな垂れ流されるだけの文章。後味の悪さと薄気味の悪さが残るだけの小説だったが、不思議と読んだ事を後悔させない魅力があった。2015/09/30
ひのえ
11
つまらん。「こんな小説は今すぐにケツを拭く紙にでも使って〜」よくわかってんじゃん。ところがどっこい、読み終わってみれば全然わかってねえじゃん。欠点放ったらかしにすんなよ。駄作と凡作の間、若干駄作寄り。終始すげー適当な感じがする。感じがするというか、実際適当。だが嫌いじゃないよ、くそったれ。2015/10/14