内容説明
中世イタリア。豪商の娘タミラは、ある日、森の中で美しき修道士アルノルフォと出会う。その瞬間から、二人は禁断の恋に落ちてゆく。信仰との狭間で苦悩するアルノルフォ。一途に彼を求めるタミラは……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ann
47
やっぱり自分が好きな小説のキーワードは限定的に偏っている。《中世ヨーロッパ・キリスト教・魔女狩り・暗黒時代・隠れキリシタン、、、》平野啓一郎氏の「日蝕」(棺桶本)を読んだ時には雷に打たれたような衝撃でゾクゾクした。本作は衝撃度はなくソフトで読み易い反面キリスト教修練者の「肉」への原罪が大骨。切っても切り離せないテーマだと再認識。中世もヨーロッパも行ったことがないけれど、読書中脳内ではずっとグレゴリオが流れていた。ペーソスとしての実在した『空飛ぶ聖人/聖ジュゼッペ・ダ・コベルティーノ』の文献は読んでみたい。2020/10/16
いたろう
43
16世紀のイタリア、ヴェネツィア共和国、フリウリ地方の小さな村。ヴェネツィアからこの田舎町に移ってきたタミラ、修道院の若きアルノルフォ修道士と奇跡をおこすと言われるドナート神父。神の存在を深く感じた聖の法悦による無我の極致が奇跡を起こすのなら、タミラとアルノルフォが互いの存在を深く感じた性の喜悦による忘我の境地も、それ自体が奇跡と言えるのかもしれない。もはや前に進むことしかできないタミラ、我を忘れてしまったことを後悔し、信仰に没頭しようとするアルノルフォ、そこから生まれるものが、あまりにも哀しく切ない。2016/07/08
ロマンチッカーnao
18
僕の中の最高一冊は坂東眞砂子さんの『旅涯ての地』これはダントツで一番おもしろい小説。あまり有名ではないけど。この小説も舞台は同じく中世のヨーロッパ。修道士が出てくる宗教小説でもある。今思うのは、『旅涯ての地』を読み終えて、そのまま続いてこの作品を読めばもっと楽しめる。もちろん、この作品自体が面白いのはもちろんだけど。ぜひセットで読んでほしい。この作品はお金持ちの娘が若き修道士に恋をする。しかし、修道士なので恋をできない。性の恍惚を覚えた女性と宗教の恍惚を知った男の愛と宗教の物語。2024/02/04
喪中の雨巫女。
12
《私-図書館》彼女が、魔女だとは思えなかった。私が、女だからでしょうか?彼女を、そう行動させた修道士が、悪魔に思えた。2014/10/11
マドリン
10
中世イタリアの田舎町に奇蹟を起こす修道士がいるという。 噂の修道士を見に来た少女タミラは、禁断の恋にのめり込んでいく。 果たして魔女は誰だったのか。中世ヨーロッパの情景が美しく、そして悲しい話でした。2021/09/26
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