内容説明
満州と戦後日本。二度の国創りを行った男の「見果てぬ夢」とは。長州の血筋と反共・反ソの記憶、産業開発計画に賭した夢と野望、戦後の岸を支えた満州人脈の光と影――知られざる昭和史を描く渾身のドキュメント!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇵🇸🇾🇪🇱🇧🇨🇺
4
『満州国演義』を読む前にと思ったが…不愉快な読書だった。一貫して岸を賞賛する視点のみで書かれており、さすがに一々突っ込んでたら時間が足らないくらいだった。満州人脈についてはそれなりに分かったのでそれはよかったがもう少し別の本を読みたかった。 日本が帝国主義をとって戦争をした以上「戦争は勝者が絶対正義」だ。日本が日清戦争と日露戦争で敗戦国を裁かなかったとでも言うのだろうか。2023/02/22
ちー
2
先の事件により彼の評価はこの本とは似て非なるものであろう。A級戦犯を逃れ、満州での人脈を過分に使い総理に。違う角度からも見る必要がある。2024/07/09
030314
2
満州を第二のアメリカにしようと目論んでいたとは知らなかった。満州がなぜアメリカになれなかったのか、と考えながら、読了。又、岸信介を知り、安倍晋三の考えのルーツを知りたいと思い読んだが、安倍さんは岸家の人間ではないことも理解。2020/09/26
turutaka
1
現在の与党を構成する面々のルーツ(派閥、血筋の両面で)である岸信介を知るために読んでみた。とてつもないバイタリティは血筋と長州の風土が作り上げたのだなぁという感想と、戦後の責任の取り方というものが曖昧だったことが、70年を過ぎた今になってガタがくる要因となったのだと改めて気がつく。サブストーリーを形成する甘粕の生涯も興味深い。ここはまた別の本で追ってみよう。2019/10/02
くらーく
1
船戸与一の満州国演義から。 安倍首相の祖父にあたる岸信介。日米安保条約を結んだ首相として、そして、A級戦犯としては知っていた。 戦前に、これだけの切れ者で大きなことを為した(実験したに近いのかな)人物とは知りませんでした。さぞや、楽しい人生だったのではないかと。それを、孫にどのように伝え聞かせていたのか、興味深いですな。 いろいろと豆知識が得られて、楽しい本でした。2018/05/12