内容説明
その男は「青ひげ」と呼ばれた。過去6人の妻たちは、みな死んでいた。「妻殺し」の容疑で警察に調べられたこともあるが、犯罪の痕跡は発見できなかった。しかし、全員が同じ状況で、同じ症状で亡くなっていた。みな妊娠中毒症を起こしていたのだ――。その男がホテルのバーで知り合った7人目の女は「あなたの子を産むわ」と言い放つと「青ひげ」の7人目の妻となった。おれの子を孕むと死ぬ、という男の忠告もなんのその、しばらくして女は妊娠した。女は次第に生活の主導権をにぎり、ある種の危険な兆候をみせはじめた……。種の保存の本能の、新しい形が戦慄を呼ぶ表題作の他、全8編をおさめたSF短編集。書き下ろし解説を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山田太郎
25
昔のSFのやつ、いま読んでるんだけど、どれも面白い。小松左京すげぇ2012/07/19
すしな
12
056-21.静寂の通路ですが、化学汚染物質が人間の存在を侵食していく怖さもあるのですが、並行して文明が精神面にも作用していく部分も描かれていて、現代でもうつ病が問題になっていますけど、あまり合理性の方にばかり振れてしまうと人間全般的なバランスが崩れてしまうのかなと感じました。2021/06/05
すー
4
静寂の通路、本当に怖くなった。いまの人類にも似たような事が起きてるのでは...という。なんで小松左京はあんまり読まれてないんだろう。こんなに面白いのに。2015/11/17
洪七公
1
既読本1983/11/06