内容説明
衝撃の結末が加わった傑作長編小説の完全版。
15年前、ある地方都市のマンションで男が撲殺される事件が起こった。凶器は金属バット。死体の第一発見者は被害者の隣人で、いまも地方検察庁に検察事務官として勤める古堀徹だった。事件は未解決のまま月日は流れるが、被害者の一人娘・村里ちあきとの思わぬ再会によって、古堀徹の古い記憶のページがめくれはじめる――。
古堀は事件当時、隣室に暮らすちあきの母親・村里悦子と親しい間柄だった。幼いちあきを預かることも多く、悦子が夫の暴力にさらされていた事実や「もし戒める力がどこにも見つからなければ、いまあなたがやろうとしていることは、あやまちではない」という彼女の人生観に触れる機会もあった。その頃の記憶にはさらにもう一人の女性の存在もあった。女性はある計画について村里悦子を説得したはずだ。「一晩、たった一度だけ、それですべてが終わる」と。
よみがえる記憶を頼りに組み立てたひとつの仮説――交換殺人という荒唐無稽な物語が、まぎれもない現実として目の前に現れる! サスペンスフルな展開に満ちた長編小説『アンダーリポート』に加えて、新たに衝撃的なエンディングが描かれた短編小説『ブルー』を初収録した完全版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
93
確かに主人公は「血のめぐりが悪い」ですねwww。これを唯「血のめぐりが悪い」と診るか、「不器用」と診るか読者次第と云うところでしょうか。ただですね、解説の伊坂幸太郎さんが言及されているように本作は「読ませる」んですよね。なんでも“語り方”がプロ好みということらしいです。小説の奥の深さを垣間見ることができました。2020/09/14
ehirano1
74
「戒めの力(≒サイン)」が登場人物の要素の1つなのですが、この信仰型思考には考えさせられました。やはり信仰は過信もしくは他の選択肢を考える余地を失いがちになるのでしょうか?2021/06/13
ehirano1
72
目次の欄で、第一章が「旗の台」で最終章が「旗の台へ」なので、これは回顧型の構造なのだな、と少しだけミステリー的期待を捨てざるを得なくなるのですが、いやいやどうして、そんなことはありませんでした。2020/12/07
Kanazawa Dai
69
????何故だろう読んだことがある…。文庫本の帯に伊坂幸太郎の名前があって、大好きな作家さんがこんなに誉めているなら読んでみよう。と、思って買ったはずが、知っている物語だった。結構前から読書メーターで記録してるし、読んだ本をタイトルまで忘れたことは今までなかったので、びっくり( ; ゜Д゜)う~ん。思い出せない(; ̄Д ̄)?2016/01/17
ehirano1
67
「ブルー」が併禄されたのは良かったと思いました。流石に「サオリ」については投げっぱなしはイカンだろう、と。しかしあれだけ短い中(たったの8ページ)にあれだけのミステリーを描いたのには感服でした。2022/03/09
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