内容説明
永遠の少年と花守る少女が秘密の扉を開く
〈奇跡の蜂蜜〉を作るポロウ村に転校してきたレオ。蜂蜜の秘密に関わる旧家の娘サリーは、それから次々と不思議な出来事に出会う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
126
秘密というのは、実は秘蜜なのかもしれない…。秘めているものには、蜜のような甘い香りが漂っていて、その芳しい蜜の香りに誘われて、ミツバチだけではなく、動物も人も、人ではないものたちも、魅せられて寄ってくる。ここにあるのは、ポロウ村にある秘密の蜂蜜のお話である。村のたくさんの掟に守られている蜂蜜。奇跡の蜂蜜と呼ばれ、不老不死になるとさえ言われているポロウの蜂蜜。その知識と技術を代々伝えて守っていく跡取りのサリーとジャックに不自然に近づいてくるよそもののレオ。彼は、やはり秘密をもってこの村へやってきたのだが…。2016/02/10
たるき( ´ ▽ ` )ノ
91
出だしから惹き付けられた。いったい、どんな謎が隠されているの…?と気になってしかたなくて、どんどん読んでしまった。ふんわりと蜂蜜の香りがしてくるような、不思議とやわらかくてちょっぴり切ないファンタジー。表紙かわいい!!2015/09/10
おかむー
88
『東京バンドワゴン』の小路幸也なのでファンタジー風人情話かと思ったら、意外や意外ストレートにファンタジーでしたよ。『よくできました』。どこかハリポタやジブリ作品を連想させる近代の世界と重なって存在するファンタジー世界といった趣のポロウ村の情景がとても暖かい余韻を残す。韻を踏んだタイトルの意味合いが、少年レオが村に訪れた理由につながって明かされるクライマックスには納得する半面、秘密が明らかになった“だけ”な気がしなくもない。登場人物それぞれのポロウ村への想いが掘り下げられていればもうちょっとグっときたかな?2016/02/17
佐島楓
57
ふわふわっとしていて、題名通りに甘くて、ゲームのシナリオみたいなファンタジー。最後に明かされる謎も、舞台である「ポロウ村」の閉鎖性をうまく説明している。エゴという問題は絡むが、強い毒はなく、安心して読める。2015/11/10
ユメ
46
『蜂蜜秘密』。はちみつひみつ。甘い響きを舌の上で転がしてみる。これはきらきらと黄金色に輝く蜂蜜みたいに優しい味で、そして終わりの予感がもたらすちょっぴりの切なさを孕んだファンタジーだ。舞台となるのは蜂蜜で知られた〈ポロウの村〉。美しい風景や素朴ながら美味しそうな食事、村に伝わる歌やお祭りなど、世界観にワクワク。サリーの心優しさに癒される一方、レオが抱える秘密にドキドキしながら読んだ。レオの秘密はいったい何だろうと思っていたけれど、村の伝説がいくつも絡み合っていて読みごたえがあった。彼の勇気に打たれる。2016/11/03